人生の三大出費の一つと言われる教育費、その中でも決してバカにならないのが塾にまつわる費用です。
子どもの学年が上がるにつれ金額はドンドン膨らみ、月々の月謝以外にも春期講座や夏期講習など負担は少なくありません。
そんなとき子どもが塾を嫌がったり、思うように成績が伸びないと、続けるかどうか迷いますよね。
塾の通学を悩んだときに、あらためて見つめなおしてみたいポイントをお伝えします。

目次
原因は何か突き詰める
言うまでもありませんが、塾は「成績を上げたい」、「志望校に合格したい」などそれぞれの目標を達成するために、わざわざ代金を支払って勉強をする場所です。
目的に結び付かない理由をきちんと見極めないことには、たとえ塾をかわっても繰り返す恐れがあります。
見直すポイントは2つあります。
1. 本人の勉強に対する本気度は?
子どもの塾での態度は、学校のように参観や保護者会が頻繁にあるわけではありませんから、保護者が実際に目で見る機会は少ないでしょう。
また塾からの課題についても、学年が上がれば親がチェックすることも少なくなりますよね。
要するに本人から言い分を一方的に聞くだけ、ということが圧倒的です。
さらに思春期に近づくと、自分からは具合の悪いことはほとんど言ってはきませんから、あらためて客観的に、子どもの姿勢を見直す必要があります。

・ 部活などで時間がないと、できない理由を作っていませんか?
・ やる気がでない、メンドクサイと言いませんか?
以上のような状態は、そもそも本人の意識に原因があるように思われます。
時間がないという言い訳にしても、それなら部活を辞めるなど対策を本人が決め行動しない限り、状況は変わらないでしょう。
目標を本人が見つめなおし、意識改革をするように促してください。
ただし、特定の科目だけ成績が上がらないというような場合には、その教科の基礎的な知識が欠落している場合も考えられます。
当人の努力はもちろん必要ですが、そこは塾に相談しサポートを得ましょう。自信を得ればやる気につながる可能性は、十分にあります。
また、塾での友人関係は学校とは異なることもあります。
場合によっては、授業態度を含め様子を問い合わせましょう。
親にとって、自分の子どもを客観的な目で見るということはなかなか難しいことです。
しかし、原因解明には必要不可欠です。
2. 子どもの性格に合った塾か
以下のように塾の姿勢が問われることについては、納得できるよう話し合うべきでしょう。
・ 担当講師がコロコロ変わる
・ 保護者や子どもからの相談に親身に乗ってもらえない
・ 先生にやる気を感じられない
・ 授業科目の増加や講習などの営業が強引
同時に見極めたいのが、塾との相性です。
指導方法が、子どもの性格に合っていない場合も考えられます。
他人に煩わされるのが苦手、マイペースで進めたいのであれば個別指導、刺激を受けるほうが頑張れるならば一斉指導が合うケースもあります。
また、学校でのわからないことを重点にする補習塾や一人の先生が担当する個人塾など、塾の形態はさまざまにあります。
体験授業などを利用して、他の環境を体感してみるのも一つの方法です。
親にとって目に見える判断の基準は、成績やテストの結果しかありません。
けれどもそれだけに惑わさることなく、本人の意思で通塾を決めることが最も重要なことです。
さいごに

わが家は、塾に本当にお世話になりました。
実は次男は、順調に生活していた高校1年の冬から、倦怠感と頭痛に悩まされました。
もちろん病院には何軒も通い、MRIも撮りましたが原因不明。
次第に毎日頑張っていた部活を退部、学校も休みがちになってしまいました。
そんなある日彼は「塾に行きたい」と言い出しました。辛い体を引きづって学校に行けた日には、自習室が閉まるまで居残ります。
親としては、ハラハラ心配する日が続きました。
けれども粘り強く過ごしていると、中学時代どんなに本人が努力し先生に相談しても足を引っ張り続けた英語、それが徐々に成果として出始めました。
体調不良は最終的に高校3年まで続き、出席日数ギリギリでの卒業でした。それでも、目標とした第一志望の大学に合格することができました。
もちろん、高校の先生方のサポートは大きく感謝でいっぱいです。
けれども我が息子のように、決められた授業時間にどうしても行けないとき、塾という場は勉強をしているという安心感と数字で示される成績に自信をもらえたように思います。
子どもが描く夢に近づける場が学校であり、塾にもなるように、親としては願い見守りたいものですね。(執筆者:吉田 りょう)