目次
相続対策をする前に準備しておくべき5つのこと
相続について遺言の作成などの対策をしておくことは非常に大切ですが、いきなり相続対策はできません。
そのために実行しておくことや、対策をする前にしておいた方がよいことを紹介します。

1. 相続人を確認しよう
財産を相続する相続人を確認しておきましょう。
配偶者は常に相続人です。第一順位の相続人は子です。
子が死亡しているとき孫が相続人です。
子や孫がいないとき、第二順位の相続人は父母です。
現実的にはまれなケースでしょうが、父母が死亡しているとき祖父母が相続人です。
子や孫、父母、祖父母がいないとき、第三順位の相続人は兄弟姉妹です。
兄弟姉妹が死亡しているときは甥姪が相続人です。
これらの関係を図にまとめて整理しておきましょう。

記入できるフォーマットはネットから探すことができますし、エンディングノートについていることもあります。
あなたが死亡したとき誰が相続人となるのかを確認しておくことは財産を誰に相続させる人を決めるのに重要なことです。
2. 財産を把握しよう
・ 預金は銀行名
・ 支店名
・ 口座の種類
・ 口座番号
・ 不動産は登記済証と納税通知
・ 証券は会社名
・ 株式とか、投資信託とか証券の内容
・ 生命保険は保険期間
・ 死亡保険金の金額、受取人の氏名
などをそれぞれ確認し、資産の一覧表を作成しておきましょう。
最近はネット取引も多いので、ユーザーID、パスワードなども整理して確認することが大切です。
財産目録、負債目録を作成する
債務も一覧表を作成し、住宅ローンがある場合、現在の残高と返済完了期日、団体信用保険の加入の有無を確認してください。
それ以外の借り入れは
他人の保証人になっている場合はその保証債務がきちんと返済されているか確認しておくことが重要です。
これらはエンディングノートに記載欄があるものもありますし、ネットからフォーマットを入手することも可能ですので、利用するとよいでしょう。
財産は本人しかわからないものです。
万が一のことを想定して準備をしておくことで家族の混乱を回避できます。
財産の全体を把握して相続人にどう分割していくかの決める第一歩です。
3. 相続について学びましょう

ご自身が相続について学ぶことは相続を考えるきっかけにもなります。
地域で無料セミナーなども行われていますので、広報誌などを見て日程があえば、1度参加してみてはどうでしょうか。
証券会社や信託銀行も無料で相続に関するセミナーを開催しています。
私もいずれのセミナーも参加したことがありますが、配布される資料もきれいで立派ですし、内容も非常にわかりやすいものでした。
また、書籍も書店でたくさん並んでいますので簡単そうなものがあれば読んでみてもよいと思います。
文字だけでなく図が示されている書籍がわかりやすくお勧めです。
さらにネットからでも情報を収集できますので、調べてみてはどうでしょうか。
相続の知識を持つことは専門家などにお願する場合でも、彼らとのコミュニケーションが円滑になり、ご自身の意思、想いが伝わりやすくなります。
4. 相談先を選定しよう
相続対策は法律、税金など専門的な知識を必要とするため、ご自身ですべてを行うことは難しく労力も要します。
的確な助言をしてもらえる相談先を選定しておくと心強いと考えます。
選定のポイントは、相続について広く知識を持ち、コーディネートができる点に視点を置くか、特に気にかけている点、例えば税金面か、遺言とかに強い専門家を選択するかなどご自身の状況に合わせて考えるのがよいと思います。
なにより相談がしやすく、親身になってくれる方がよいのはもちろんのことです。
5. エンディングノートを活用しよう

遺言を書くのはどうもという方もこれから遺言を書こうと思っている方にもお勧めはエンディングノートの活用です。
前述した家族の関係図や財産目録などを書けるようになっているものもあります。
また、電話、水道、電気など日常生活でのさまざまな契約の内容や現在までの生きた記録、家族への想いなど記載する内容もいろいろなものが発売されています。
フォーマットはネットから探すことも可能ですし、エンディングノートに関するセミナーに出席するとエンディングノートそのものを手にいれることができることがあります。
ご自分のさまざまなことを整理できますし、相続対策をするための準備にもなります。
残されるご家族にとってもいろいろな対応を迅速に確実にすることができ、有難く、感謝されます。
相続対策をする前に準備しておくことを紹介しましたが、すべてを一度に実行できればよいのですが、優先順位をつけるなり、ご自分でできることから始めてみてはどうでしょうか。
ご自身のためであり、大切なご家族のためにもぜひとも実行してみてください。(執筆者:真鍋 泰)