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2018年も残すところあとわずか

株式相場の格言では、
といいますが、皆さんはどのように感じているでしょうか?
今年の相場を振り返り、来年の主な材料を整理しておきましょう。
2018年振り返り ~2度の大幅下落~

好調なスタートの1月
年初、前年の年末相場が好調だった流れを受け、好調なスタートを切ったように見えました。
1月23日には日経平均株価2万4,124円の高値をつけ、前年、前々年の好調相場の恩恵を受けた方は、「今年もいける」と考えたでしょう。
1月は「お祝儀相場」だと言われるように、年初に合わせて持ち高を整える動きもあり、買い先行といった形でした。
2月 VIX(指数)ショック
2月、「VIX(指数)ショック」が起こります。
VIX指数とは、株価の変動性の予想を示す指数で、別名「恐怖指数」とも呼ばれます。
上昇すると市場の警戒度が高まり、下落すると安定することから、市場心理を表す指標となっています。
1月の米雇用統計で時間あたり賃金が予想を上回る伸びを示したこと、FRBの利上げペースが加速するとの見方が強まり、米長期金利が大幅に上昇したことで、このVIX指数が上昇し、株価急落の要因となったのです。
多くのファンドがVIX指数の急上昇で急激にロスカットを強いられ、短期間に大量の売りが発生しました。
世界同時株安になりました。
そこからは徐々に回復しつつも、米中の貿易戦争や金利動向などの不確定要素も多く、全体的に軟調な推移だったと思います。
10月 VIX指数が警戒水準
2月の株安時と同様に、またもVIX指数が警戒水準とされる20を超える上昇を見せ、再度株価が急落。
この10月の下げには米長短金利差が縮小・逆転し、今後景気後退局面に入るのではないかという憶測も原因です。
過去長短金利が逆転した局面は2度ありますが、1度目はITバブル崩壊、2度目はサブプライムローン問題が起きているからです。
AIによる投資判断増加で市場の過剰反応が進む
AIの進化によって過去の景気後退局面をデータで予測し、売買を指示しているファンドが増加していますから、「長短金利の逆転」に反応して売りの反応が過剰だったとも言えます。
AI導入は急速に進んでいますから、
という動きはこれからどんどん過剰になっていくと思います。
個人的には、こういった過剰な動きよりも、実態の業績や全体的な景気動向を判断材料にして売買をすることのほうが、長期の資産形成には有効だと思っています。
長期投資を考えている個人投資家の方は特に、あまりに市場が大きく動くときは
とドンと構えて回復を待つのも1つの手です。
来年の予想

「亥(い)跳ねる」に期待したいところですが、正直あまり楽観視できない市場環境になっていると思います。
米中貿易戦争しかり、金利局面次第で株式市場も大きく反応してしまうことなど、不透明要素が大きいからです。
年明けにさまざまな方面から予想が発表されると思いますが、一足先に個人的な見解を申し上げれば、広くなりますが、日経平均株価のレンジは1万8,000~2万5,000円です。
貿易戦争の泥沼化、米長期金利の低下などの、最悪のシナリオを考えれば、2019年上期中の2万円割れも覚悟したほうが良いでしょう。
一方で、ある程度現在市場の関心事となっているテーマが片付けば、今年の年始め程度の相場に戻してもおかしくはありません。
そういう意味で、上は2万5,000円と予想します。
いずれにしてもクリスマス・年末年始と相場が余り動かない時期ですから、持ち高の整理、狙っている銘柄の抽出はいまのうちにやっておいたほうが良さそうです。(執筆者:鈴木 みゆき)