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昨年の株式市場を振り返る
日経平均株価は年初に2万2,764円から始まり、10月までは堅調に推移しました。
それ以降は下落基調になり12月28日の大納会ではかろうじて2万円は維持しましたが、終値は2万14円と年間では下落したまま終了しました。
日本や米国などの経済は堅調、長引く超低金利で株式市場にとっては良い環境と言えそうです。
しかし、さまざまな要因があるにしても、米中貿易戦争や中東情勢・北朝鮮問題などに代表されるようにトランプ大統領の言動が日本の株式市場にも大きく影響した1年でした。
新しい2019年が始まり、大発会ではさらに400円以上値下がりして取引が始まるなど波乱のスタートになりました。
相次ぐ値下がりで胃が痛くなる、夜も眠れない方も多いのではないかと思います。
今回は株式投資初心者向けに筆者自身も実践している長期投資について解説します。

株式投資とは
株式投資とは会社が発行した株式に資金を出して株主となって株主の権利を取得することです。
では株主の権利とは経営に参加する権利、会社が解散した時に残余財産をもらう権利などがありますが、個人投資家にとってはこれらはあまり意識しなくていいと思います。
一般的には毎年の決算から現金による配当や株主優待などで自社商品等をもらう、値上がりした時の売却益を得る事などが主な株式投資の目的です。
株式投資における長期投資とは

短期で売買する場合は、地震・豪雨・火山の噴火などの自然現象や国際情勢・政治家の発言・金融政策・原油市場の動きなどのニュースにより、会社の業績にとっては直接関係のないことでも株価が乱高下することがあります。
常に株価ボードにくぎ付けになりながら一喜一憂し、大儲けすることもありますが、胃が痛くなる、夜も眠れなくなります。
もちろんこのような投資方法が好きな方はそれでいいと思います。
長期で見れば、かつて株式市場では1987年の「ブラックマンデー」や2008年の「リーマンショック」に代表されるような株価大暴落を経験していますが、その後は長い期間がかかりましたが株価は戻しています。
例えば日本を代表する製造業であるトヨタ自動車の場合、2018年3月決算の連結一株当りの利益は842円です。
理論的には一日に換算すれば毎日約2.3円企業価値が上がり続けている事になります。
しかし株価が毎日上がり続ける事はありませんが、5年・10年と長期的な視線で見れば右肩上がりの株価になっています。
株価は短期的な上下があったとしても、長期的には業績に応じて徐々に本質的な価値に近づいてくると考えられます。
お勧めする長期投資の注意点
仕事で株式投資をしている場合やデイトレードなどセミプロとして長く株式投資を経験している人は別にして、一般の投資初心者の方でサラリーマンの場合は常に株価ボードにくぎ付けにはなれません。
ですから、「今日の株価を見るのを忘れていた」というぐらいのゆったりした投資方法で株式投資を楽しめるようにしたいものです。
そこで気になる銘柄選びですが、以下のことに注意してください。
(2) 業績を表す各種指標を参考にして、割安な会社を選ぶ。
a. 株価収益率(PER) 株価を一株当たりの利益で割った数値で、数値は小さいほど良い。
10倍~20倍ぐらいの会社が多いですが、15倍以下ぐらいであれば割安といえます。
b. 株価純資産倍率(PBR) 株価を一株当たりの純資産で割った数値で、数値は小さいほど良い。
会社の保有する資産の内容にもよりますが、おおむね1倍以下であれば割安といえます。
c. 継続的に利益を出し、毎年増加傾向にある会社を選ぶ。
会社のホームページなどで公表されている決算報告書を読み込み、利益が出ている要因やこれからの見通しなどを確認する。
(3) 長期投資において配当は重要な要素ですが、長期安定的に配当利回りが3%以上あれば、短期的に株価が値下がりしても銀行の定期預金を考えればストレスなく保有し続けられる。
株はどのような専門家でも「予測不能」
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株はほんの数日で20~30%の下落もあり得ます。
そのような下落局面でも「枕を高くして寝られる」額があなたの投資適正額と言えます。
株はどのような専門家でも「予測不能」で責任は自分自身にあるという事を忘れないでください。(執筆者:後藤 誠道)