「資格があれば一生働けるから老後も安心だ。」
このようなフレーズとともに、「資格ブーム」と呼ばれる現象がありました。残念ながら、ブームは去りました(笑)。
今回は、一時のブームに左右されない資格の活かし方についてのお話です。
ただ、資格といっても様々なものがあります。
そこで、筆者が持つ社会保険労務士という資格を中心に、具体的かつ体験をふまえたお話をおとどけします。
目次
例えるなら、下りのエスカレーターを駆け上がっている感じ

結論から言えば、社会保険労務士あるいは士業全体を取り巻く環境は極めて厳しいです。
資格ブームが去った後も資格取得者や開業者は増え続ける一方、顧客対象となる中小零細企業は経営不振や後継者の不在で減り続けています。
絵に描いたような激しい競争状態となっています。
また、現在、政府が先導するカタチで法人に必要な各種手続き業務を電子化するプランが具体的に進んでいます。
この動きは言わば、もともと、行政手続きの代理事務から始まった士業というビジネスモデルの全否定に他なりません(笑)。
このトレンドは、特定の資格に限定されていません。資格を問わず、「手続き業務をメインとしていた士業の事務所」は、対応に追われています。
専門知識と権威を活かした新規事業?
聞くだけで、「大変そう」とお感じの方も多いに違いありません。しかし、全く策がないというワケでもないのです。
私が相談を実際に受けて、オススメしているのは「情報発信」です。特に、ネットを舞台とした展開です。
士業が活用出来る資源として、専門知識と政府に公認されているという権威があります。ともに、グーグルが求める方向性と合致します。
専門家として、ネットで情報発信

ネット空間に散在する様々な情報は玉石混交状態です。
グーグルは、特に「命やおカネ」に関わる情報については強く規制していこうという意向を持っています。
士業に限らず、これらの分野に専門知識を持つ人には大きなチャンスがあります。
専門家としての情報を発信することが可能であり、検索結果はシロウトの手による発信より上位表示されやすいことが確認されています。
グーグルの検索エンジンは発信者のプロフィールを参照するだけでなく、文章の記述をもとに専門用語の配列パターン等から、専門家が書いたものか・そうでないかを判断できるレベルだと言われています。
情報発信をおカネに替える
情報発信そのもの自体がビジネスとなる環境も整いました。ブログ、YouTube、キンドル、その他、オリジナルコンテンツの販売を支援してくれるサービス等。
情報発信をゴールに、資格取得を目指す。この場合、資格勉強のプロセスで自分の得意分野を発見しておくのが理想的です。
逆に、発信したいコンテンツが元々あって、それを権威付けするために、関連した資格を取るという手もあります。
新年の目標を「資格+情報発信」にしてみてはいかがでしょうか。(執筆者:金子 幸嗣)