「借金はしたくない!」との思いから、お金は借りず、ローンも組まず、クレジットカードも極力使わないという方もいらっしゃいます。
そのように堅実な家計を維持されているのは素晴らしいことです。
けれども、私たちの生活の中で知らず知らずのうちに借金を抱えてしまうことがあります。
借金とは気づきにくい、3つのケースをご紹介します。

目次
1. 日本学生支援機構の奨学金
非常に多くの学生が利用している日本学生支援機構の奨学金ですが、そのほとんどは貸与型です。
返済期間が長いことや利子が優遇されている(あるいは無利子)ため、有利な面も多いのですが、事実上の借金なのです。
貸与型の奨学金に採用された場合、保証機関に保証してもらうか、連帯保証人や保証人をたてるかして、「返還誓約書」を作成し、卒業後に返済していかなければなりません。
卒業後の奨学金返済は滞ることのないように細心の注意が必要です。
現在、奨学金の返済滞納は非常に厳格に管理されており、一定以上の滞納があると個人信用情報機関に登録されてしまいます。
2. 携帯電話の分割払い
「携帯電話の分割払い」は、携帯電話本体を24回分割払いなどにして、月々の料金に上乗せして支払っていくことで、高額なスマートフォンでも購入しやすいという便利な仕組みです。
この携帯電話端末の分割払いも、事実上の借金です。
携帯電話の分割払いをする場合、毎月の通話通信料の支払いと併せて携帯電話購入料金の返済分が請求されます。
万一、支払いが遅延すると、その事実が信用情報機関に登録されます。
3. 海外キャッシングによる両替

お得に外貨両替する方法の一つとして、クレジットカードの「海外キャッシング」を利用した両替があります。
海外に行ったときに、ATMなどから簡単に現地通貨が引き出せるのは大変便利で、為替レートもお得な場合があります。
でも、文字通り「キャッシング(cashing)」なので、小口の融資を受けているのであり、これも借金です。
キャッシングには非常に高い金利が発生します。年15%以上のものもあります。
また、クレジットカードによっては、海外キャッシング分は自動的にリボ払いになるものがあるので注意してください。
こちらも滞り無く返済すべきなのは、言うまでもありません。
どれも借金の返済なので滞納には要注意!
気づきにくい借金として、奨学金、携帯電話の分割払い、キャッシングによる両替の3つを考えました。
これらは、非常に一般的で利用しやすいので、筆者自身も利用した経験があります。
ただし、どれも借金であることは忘れないようにしましょう。
もし、支払い(返済)が滞った場合は、信用情報機関に記録され、信用情報に傷が付くかもしれません。
一度、信用情報機関に遅延したと記録されると、何年も残ります。
将来、住宅ローンや新規のクレジットカードを申し込むときに、審査に影響する可能性があります。(執筆者:潮見 孝幸)