従来、確定申告をe-tax(電子申告)で行う場合は、電子証明書つきマイナンバーカード(以前は住基カード)とカードリーダーが必要でした。
平成30年分より、マイナンバーカード不要のID・パスワード方式e-taxも登場しました。
マイナンバーカードを使う方式も、ログインが不要になるといった手間の軽減が図られましたが、この方式は公的認証サービスのバージョンアップが必要など、設定が煩雑というデメリットがあります。
また平成30年分から開始されたスマホ申告は、マイナンバーカード方式には対応していないので、ID・パスワード方式の届出を行っていないと利用できません。
マイナンバーカードを使ってe-taxをしていた方でもID・パスワード方式にする方法があります。

目次
マイナンバーカードでID・パスワード方式届出ができる
確定申告書等作成コーナー トップページ右下に「ID・パスワード方式の届出」がありますので、「届出を行う」ボタンをクリックします。
なおネットを使った届出には、本人確認手続きを行うためにマイナンバーカードとカードリーダーが必要ですので、無い場合には税務署で手続きを行うしかありません。

あとは画面に従って手続きを行いますが、途中でマイナンバーカードの読み取りを要求されます。住所・氏名等の個人情報を入力し送信すれば手続きは終了です。


手続完了までは時間がかかる
手続きが終わったらすぐにID・パスワード方式のe-taxが完了するわけではなく、届出完了通知が届くまで、1週間以上待つ必要があります。
税務署の窓口であれば即日手続きが完了しますが、確定申告期間は混雑による待ち時間を覚悟しなければなりません。
マイナンバーカードが無いとできないこともある
ID・パスワード方式では、利用できる機能に制限があることに注意が必要です。
メッセージの確認
トップ画面から「メッセージボックスの確認」の「確認する」ボタンを押すと、ログイン画面が現れます。


ログインもマイナンバーカードを読み取って行う方法と、利用者識別番号を使ったログイン方法の2種類あります。

ログインを行うと、メッセージボックス一覧・還付金処理状況・振替納税結果のメニューが現れますが、ID・パスワード方式ではメッセージはタイトルの一覧しか確認できません。
ID・パスワード方式は廃止が予定されている
ID・パスワード方式に機能制限がある理由の1つは、e-taxを普及させるための暫定的な方式であり、早くて3年程度で廃止が予定されているからです。
とはいえ現段階でスマホ申告を行うには、これまで述べてきたようなID・パスワード方式開始の手続きが必要です。
またマイナンバーカード方式は電子証明書の有効期限が切れたり、ソフトウェアのセットアップに失敗したりするとe-taxができなくなってしまうので、保険としてID・パスワード方式の届出をしておく価値はあります。
ただいつかは廃止されることも、頭に入れておく必要があります。(執筆者:AFP、2級FP技能士 石谷 彰彦)