新学期に向けて、子どもの習い事を「ちょっと整理しよう」と考えている方はいませんか。
習い事費は月収の5%程度に収めるのが理想的と言われています。
大切な教育費を有効に使うためには、本当に「ためになるもの」に絞りたいです。
習い事は始めるときよりも、やめるときの方が多くのエネルギーを要します。
スッキリとした気持ちで習い事を絞り込むための、シンプルな考え方についてお話します。
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目次
1. やめる方より残す方に目を向ける
習い事を絞り込むとき「やめるもの」を選ぶ作業は思った以上に辛い作業です。
よほど嫌いになってしまったケースを除いて、その習い事の短所、つまり「辞める理由」を探すのは、今までの自分の頑張りを否定するような感じがします。
そこでぜひおすすめしたいのが「続けたいもの」に目を向ける方法です。
こう聞かれれば、お子さんはどの習い事が一番好きなのか考えると思います。
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2. 「好き」の中身を深掘りする
1点注意しておきたいことがあります。
例えば「サッカーが好きだから続けたい」と言われても、子どもが魅力を感じているのは休憩中のおふざけが楽しすぎるとか、コーチが面白いとか、「えっ?」と思うようなところだったりします。
筆者の弟はサッカーを小学生のとき習っていましたが、はっきりいって下手でした。
それでもサッカーを辞めなかったのは「サッカーが好きだから」ではなかったのです。
「走り回ること」に楽しみを感じていたからです。
中学校への入学後、彼が才能を開花させた分野は「陸上」でした。
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市の新人戦の1500m走で、いきなり優勝しました。
その後も駅伝やクロスカントリーなど、中長距離走の分野で高校まで活躍しました。
サッカーも短距離走もさっぱりだった弟にまさかこのような才能があったとは思わず、本当に驚きました。
また筆者の知り合いで吹奏楽部の部長を務めていた人がいますが、1番楽しみを感じていたのは楽器演奏ではなく「部の運営」だったと言います。
部員130名の大所帯の部長として、運営の苦労を重ねるうちにマネジメントの面白さに目覚めたそうです。
その人は大学でマネジメントを学び、放課後はアメフト部のマネージャーも務め、現在は大手企業の人事部でキャリアを積んでいます。
一口に「好き」と言っても、どこに魅力を感じているのかはさまざまです。
必ずその子オリジナルの「細かすぎて伝わりにくい魅力」があります。
それを深掘りすることにより、親は最適な次の一手を繰り出せます。
3. 週1を週2に増やしても、月謝は倍にならないケース
続けるもの、やめるものを整理できたら、思い切って浮いた費用を「ひとつに集約する」という戦略も筆者はありだと思います。
頻度を増やせば確実に上達が早まりますし、進級テストのチャンスも2倍になります。
さらに、週1回習っていたものを週2回に増やすと月謝は2倍になるかと言うと、そうはならないケースがあります。
全国に展開している大手スイミングスクールの「コナミ」の月謝は以下のようになっています。
週2回コース 1万1,257円
※児童(小学生以上)コースの月会費
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週2回通っても倍額はかかっていません。
スイミングは自宅練習のできないスポーツという性格も影響しているのか、お得な料金体系をとっているスクールが多いようです。
セントラルスポーツやイトマンスイミングスクール等、他の大手も同様でした。
筆者の周囲では他に、器械体操のクラブなどでもこの料金体系を採用していました。
4. 「世の中」の意見は聞かない
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習い事を始めるときには「どんな習い事が良いか」「習って良かったと感じることは何か」などについて、経験者から話を聞くと参考になります。
ところが、やめるかどうか迷っているときには逆に、他人の意見は聞かない方が良いです。
迷いが深まるからです。
どの習い事を続けるかは、あくまで子どもと親の話し合いで決めた方がハッピーになれます。
その際も「これからの世の中に必要とされるものを続けよう」という基準で選ぶのではなく、「その子が本当に好きだから」というものを残した方が良いです。
世の中に必要とされる、持っていると困らない技能は山ほどあります。
それを基準に選ぶとキリがありません。
「あなたのために良かれと思って」という親の思いを、子どもに押し付けてしまう危険もあります。
世の中のスタンダードにその子をあてはめようとするより、その子が持っている「オリジナルの好き」を大切にしてあげた方が、のちのち本当の意味で「飯のタネ」として生きてくる可能性が高いと思います。
まったく興味のないことを長く仕事や生きがいにする人はいないからです。
5. 目をかけてくれる人がいるか?
それでも迷ったら、わが子に目をかけてくれる先生がいるかどうかで選ぶと間違いがありません。
技術やセンス、体格など生まれ持ったものだけではありません。
レッスンに臨む態度やふと見せたオリジナリティなど、一見関係のないことでもよく見てちょっとしたことを褒めてくださる先生がいます。
筆者の娘は通っている体操教室で「ガンバリスト賞」というトロフィーをもらったことがあります。
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50人くらいが参加した演技発表会で2人だけに贈られる賞でした。
どこが良かったかと言うと、他の人の演技中に誰よりも真剣に見て応援していたからだそうです。
当日の大会運営に忙しい中、演技を見つめるギャラリーの様子まで目を配っていた先生方の姿勢にとても感激したことを覚えています。
子どもは褒められるとやる気が出ますし、その内容が「自分をよく見てくれているな」と感じられるものだとさらに自信を持ちます。
目をかけてくださる先生がいるかどうかは重要なポイントです。
限りある大切なお金を、本当に子どもの生きる糧になるものに使うためには、世の中でヨシとされているものよりも、あくまでその子どもをよく見ることが大切です。
親子ともにハッピーになれる選択ができると良いです。(執筆者:石田 彩子)