2/20の時点でNYダウは2万5900ドルと、2万6000ドルの大台にもう一息です。
昨年末からいわゆる「世界同時株安」が続いていたのですが、今年に入って様変わりにNY市場が上げているのには理由があります。
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雇用統計の大幅な改善で、利上げ不安が払拭された
【NYダウ日足】
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10月初めからNYダウは2万7000ドル付近⇒2万2000ドルと、なんと5000ドルもの下げ記録していました。
これは相次ぐFRBの利上げによって、アメリカの景気が後退するのではという懸念があったためです。
リーマンショックから10年間上昇相場が続いたので、もうそろそろ天井では? という観測もありました。
このようなアメリカの株式市場の暴落は、世界同時株安とも言うべきトレンドをもたらしました。
しかし、流れが一気に変わったのが1月4日に発表された雇用統計です。
市場予想をはるかに上回る31.2万人の増加。これによって底値圏にあったNYダウは一気に上昇を始めました。
1月末には2万5000の大台を回復して、2/20現在、2万6000ドルにまで手が届きそうな勢いです。11月と12月の戻り高値と並んで、暴落の下げ幅をほとんど埋めてしまいました。
NYダウは中期的に見ると既に天井圏
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NYダウのこの一年の動きを見てみると、26000ドル以上に達したのが4回。そのいずれも天井になっています。
2018年1月に2万6000台の半ばから大きく崩れて、数日後、NYダウは一日に1000ドル以上の記録的な下げを記録しました。
10月には2万7000ドルを目前にしながら、3000ドル近い下げ。その後の戻り高値では2回とも2万6000付近が天井になって反落しています。
今の上昇の勢いからすれば、一度は2万6000ドルの突破する可能性も高いです。
しかし、2万6000ドル以上には大きな売りが待ち構えていそうです。
これまでは雇用情勢の好転から大きく反騰して来ましたが、もはやすでに過熱しているのは明らかです。
上昇の仕方を比べれば、日本の総選挙や仮想通貨の上昇で、全世界の株式市場が暴騰した2017年末のようなバブル相場になりつつあります。
2018年2月に起きたようなスピード調整が、いつ起きてもおかしくないような状況になっているといっていいでしょう。
日本株も要警戒を 12月のような暴落相場が来る可能性もNY市場に比べて戻りが鈍い日本株ですが、調整するときには一緒に下げる可能性があります。
これから3月のMSQを迎えるので、用心が必要です。(執筆者:岡 隼人)