テレビのコマーシャルで渡辺直美さんがご主人の収入を心配する風景はおなじみになりました。
「就業不能」という言葉も、皆さんの中で、この数年で相当程度浸透してきました。
その一方で、「人生100年時代」と言われる昨今、70歳になってもますます元気に働いている、働いていこうとする人が増えているのも事実で、会社の定年制度が伸びたり、70歳を迎えても勇退をしない人が相当程度います。
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目次
就業不能って?
病気やケガで働けなくなったとき、健康保険の傷病手当金から一定の給付が受けられます。
しかし、受け取れる期間が最長1年6か月間なので、療養が長引くと生活費が不足してしまいます。
その状況を考えて、損害保険分野や生命保険分野で各保険会社が「保険での補償」を用意してくれています。
就業不能に備える保険は必要?
就業不能によって、自分の収入が不足することを考えると、誰しもが「不安」という答えが返ってきます。
ただ、今までの保険のイメージからすると、「自分が亡くなったときの家族の補償を心配して保険に入る」という形が多かったと思います。
しかしながら、現在では、「医療の発達で長く生きる=長く働く」ということが当たり前に、さらには現在の生活水準を簡単に下げられないという風潮もあり、やはり「就業不能が心配」という考えに行きつく人も多いようです。
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就業不能の単体の保険よりも、医療保険の特約でつけるほうが理にかなっている?
ずっと医者の世話にならない…という時代でもなくなりました。
医学の進歩で、いろいろな病気が早期発見され、治療をしながら仕事を続ける人、病気を克服して、会社に復帰する人も本当に増えました。
その中で、病気をする前と同じ収入が得られるか…というと、そうではない方の方が多いのも事実です。
自分の病気に医療保険を使い、その後の収入減の保障について特約がついていると、なおさら安心…ということもいえるのではないでしょうか。
医療保険に就業不能特約が付けられる会社は3社
コマーシャルでおなじみの
・ アフラック
・ 東京海上日動あんしん生命
・ チューリッヒ
の3社です。
補償金額や加入年齢は似たり寄ったりですが、筆者が見ていて「お!」っと思えたのは、補償範囲の「障がい等級1級・2級」がついているかそうでないかという部分です。
なぜならば、5疾病と呼ばれる重篤な病気の中でも「脳梗塞」、「慢性腎不全」などにかかった場合、障がい等級に行き着く人がとても多いからです。
病気は何とか克服できたものの、就業に当たり、障がいにより復職が制限される場合も多いです。
また糖尿病から誘発される白内障からの失明も障がいにあたり、この部分が補償されているかいないかで、保険のお役立ち度が全然違います。
上記3社の中で、この障がいでのお支払いがあるのは、アフラックと東京海上日動あんしん生命の2社です。
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意外と多い障がいによる就業不能
5疾病の保険にスポットが当たった時期もありましたが、実際には、医療の発達でその病気を克服し、再就職・復職をする人も増えました。
そして、5疾病は、中高年齢層の病気のイメージがあるかもしれません。
ただ、実数を数えてみると、がん、心筋梗塞、脳梗塞、肝硬変、慢性じん不全の5疾病よりも、上肢下肢および脊髄をケガで損傷する人の数の方が多いという結果があるそうです。
その結果、収入減になる人がほとんどという流れです。
自分のライフステージを見たときに入るべきかどうかを考えよう
病気とケガによる収入保障という観点で考えると、子供がこれから進学をする、結婚をする、いや、その前に念願のマイホームを買った後に、「収入減」に直面したことを考えると、やはり少しでも補償を買っておく必要が見えてくると思います。
住宅ローンを組んだ方に保険の内容を聞いてみると、「死亡補償」のみの方が多く、障がいによる収入減までケアをしている人は非常に少ないです。
自分のライフプランを揺るがさないために
上述のことからも、自分のライフプランが病気やけがで揺るがないように、保険の手配はやはり必要です。
「自分が亡くなる」のではなく「生きるからこそ減らさない収入」という意味でも、医療保障と収入保障の特約は考えてみる価値がありそうです。
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保険料は?
30歳男性、保険金額10万円の場合、アフラック社で1,470円、あんしん生命で(2年の場合)870円です。(5年の場合は2,120円)
この前提にある医療保険が、掛け捨ての場合や、リターンのあるものなど、その方の価値観によって選べます。
今の医療保険の見直しとともに、特約が付けられる会社の見積もりもしてみてはいかがでしょうか?(執筆者:鮫島 ひかる)