2018年からつみたてNISA(ニーサ)という新しい制度が始まりました。
この制度を上手に使えば、資産形成が少し効率よくできるかもしれません。
つみたてNISAでの運用のポイントは「なにもしないこと」です。
別の言い方をすると、積み立て投資を継続することです。どういうことでしょうか。見てみましょう。
目次
つみたてNISAの特徴その(1) 誰でも少額からできる
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つみたてNISAは何歳から、そしていくらから投資できるのでしょうか。
つみたてNISAは基本的に20歳以上の人なら、誰でもできます。最大掛け金額は年間で40万円までです。
毎月行った場合は、最大で月/およそ3.3万円です。
もちろん、金額は少額からでも可能です。極端な場合では、百円からできるところもあります。
つみたてNISAの特徴その(2) 株式主体の投資信託
そんなつみたてNISAですが、一体、何をすることになるのでしょうか。
それは、基本的に株式主体の投資信託を積み立て投資することで、資産形成をします。どういうことでしょうか。
投資信託とは「入れ物」のようなものです。
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この投資信託という「入れ物」に国内の株式市場や外国の株式市場などを入れます。
これが株式主体の投資信託です。つまり、誰でも簡単に国際分散投資ができます。
これらの株式主体の投資信託の中から、欲しいものを選び、長期間積み立て投資をします。これもまた、つみたてNISAの特徴です。
つみたてNISAはなぜ株式主体の投資信託ばっかりなの?
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もちろん、つみたてNISAには株式主体の投資信託買いもあります。
債券と呼ばれる金融商品の入った「バランス型」と呼ばれる投資信託もあります。
ですが、基本的には前述のような株式主体の投資信託がメインです。なぜでしょうか?
それは株式主体の投資信託がハイリスク・ハイリターンだからです。
「ハイリスク・ハイリターンなんて怖い!」と多くの人は思います。
しかし、資産形成においては、ハイリスク・ハイリターンがとても大切です。
なぜなら、リスクとリターンはおおむね比例する、と考えられるからです。
別の言い方をすると、ローリスク・ローリターンな金融商品では、長い時間をかけても資産形成が進みにくいのですね。
だから、ハイリスク・ハイリターンな株式主体の投資信託が重要だと考えられます。
つみたてNISAで資産形成をするたった一つのコツは「なにもしないこと」
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そんなハイリスク・ハイリターンな、つみたてNISAで資産形成を上手にするコツは何でしょうか?
それは、「なにもしないこと」です。つまり、積み立てに徹して「短期的に売らない」ことです。
なぜでしょうか?
積み立て投資では「安い時に買う」ということがとても大切です。
例えば、服を買う時を想像して下さい。
服が値上がりした → イヤだ・うれしくない
多くの人は、上記の気持ちがよく分かると思います。
しかし、これが資産形成となると、多くの人はこうなります。
投資信託が値上がりした → うれしい・買いたい
上記は、明らかに脳の誤作動(認知エラー)です。
特に積み立て投資では、服の時と同じように、安くなればなるほど、将来の収益率が上がることを意味します。つまり、「安く買えてうれしい」のです。
ですから、金融危機の場合は淡々と積み立て投資に徹するのが良いのです。
しかし、多くの人は脳の誤作動(認知エラー)により「安いなんて大変! 悲しい!」となり、金融危機の場合は、売却をしようとします。
ですが冷静に考えれば「安く買えて悲しい」なんておかしな考え方でしかありません。
しかし、これは人間のクセのようなものですから、なかなか克服することが難しいのが現実です。
そのため、多くの場合、積み立て投資で成功をするコツとしては、積み立て投資に徹することです。
今後も、しばしば小さな金融危機や大きな金融危機が発生します。長期で資産形成を行えば行うほどに遭遇する回数が増えるでしょう。
その時「なにもしないこと」ができるかどうかが、積み立て投資では重要ではないでしょうか。(執筆者:佐々木 裕平)