本記事は「なぜつみたてNISA(ニーサ)の投資対象は株式主体の投資信託ばかりなの?」ということについて述べています。
結論から言いますと「個人の資産形成においては、ハイリスク・ハイリターンである株式こそが大切である」と考えることができます。
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目次
「つみたてNISA(ニーサ)」ってどんな制度?
2018年から「つみたてNISA(ニーサ)」と呼ばれる新しい投資制度が始まりました。
この「つみたてNISA(ニーサ)」の特徴としては
2.分配金や譲渡益(売った時の利益)が非課税
3.20歳以上の人が利用できる
というものが挙げられます。
「つみたてNISA(ニーサ)」の商品特徴は?
上記のように、「つみたてNISA(ニーサ)」には「投資信託と呼ばれる金融商品で投資をする」という特徴があります。
この投資信託というものは「入れ物」のようなものです。
そして「つみたてNISA(ニーサ)」での「入れ物」には基本的に株式が入っています。
つまり「つみたてNISA(ニーサ)」で投資をすると、誰でも自然と株式主体の投資をすることになる、というイメージです。
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もちろん、「入れ物」には債券も入ったバランス型と呼ばれるものもあります。しかし、大多数はやはり株式主体が「入れ物」に入った投資信託です。
「つみたてNISA(ニーサ)」でメインの「株式」の特徴はどんなもの?
株式投資とは、公開されている会社の株式を購入することで、企業に私たちのお金を働かせに行かせるようなイメージです。
ただ、この株式を個人で数百社にも分散投資をしようとすると、大変に高額な資金が必要になってきます。そこで、投資信託(入れ物)の出番です。
投資信託とは、みんなでお金を出し合って投資をするイメージです。そのため、最近では百円程度からでも、世界中の株式に投資ができるようになっています。
繰り返しですが「つみたてNISA(ニーサ)」では、この分散投資に向いている投資信託で投資をすることになります。個別の株式は買えません。
株式投資はハイリスク・ハイリターン
では、その株式投資はどのようなリスクとリターンの特性を持っているのでしょうか。
株式は基本的にハイリスク・ハイリターンな特性を持っています。あくまでも一例ですが、金融危機時などには前年の半分くらいの価値に減ってしまうこともあります。
つまり、値動きがとても激しいということです。これをハイリスクと言います。
ただ、ハイリスクであると同時にハイリターンでもあります。
つまり、数十年間などの長期で見ると、お金が大きくなる可能性がある、ということです。これをハイリターンと言います。
長期分散投資だからこそ、ハイリスク・ハイリターンが重要?
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一般的に人は損失を過度に嫌います。そのため、多くの人はハイリスク・ハイリターンな株式主体の投資信託は避ける傾向にあります。
そのため、預貯金や債券主体の投資信託を保有しがちです。
しかし、「つみたてNISA(ニーサ)」では、それらがバッサリと切り捨てられています。
なぜでしょうか?
それは、長期での資産運用では「リスクを背負ってでもお金を大きくすることが重要」だと考えられるからではないでしょうか。
ちょっとわかりにくいですね。例を挙げましょう。
例えば次のうち、人はどちらが良いのでしょうか。
2.20年間という長期間、高いリスクを背負って、お金が大きくなる
いますぐにお金が必要なら、1が大切かもしれません。
しかし、長期であれば、2のように、その間はどれだけ価格が変動しても、結果的にお金が大きくなることが重要ではないでしょうか。
考え方にもよりますが、2の方が1よりも「効率が良い」、とも考えられるかもしれません。
人間はローリスクを自然に選ぶもの
私たち人は損失回避的な生き物です。そのため、選択肢にローリスクがあれば、それを自然と選択しがちです。
しかし、それだけでは個人の資産形成においては効率が悪いのかもしれません。
もしかすると、「つみたてNISA(ニーサ)」で株式ばかりしか買えないのには、私たちのそんなミステイクをはじめから削除する狙いがあるのかもしれません。(執筆者:佐々木 裕平)