勤務先で健康診断が受けられる会社員と違い、自営業や専業主婦などは健康診断を受けていない場合も多いでしょう。
そこでおすすめしたいのが、自治体の健康診断です。
安い自己負担金で健康診断を受けられ、生活習慣病の予防や病気の早期発見で体への負担や医療費を最小限に抑えられます。
今回は、筆者も受けた自治体実施の健康診断について詳しく説明します。

目次
がん検診
まず受けて欲しいのが、がん検診です。
がんは早期発見できるかどうかでその後の生活が大きく変わります。
自治体実施のがん検診(個人検診・集団検診)は以下の6つです。
検診費用は自治体ごとに違いますが、おおむね数百円~4,000円程度です。
ここでは目安として、筆者が住む自治体の自己負担額を記します。
1. 肺がん・結核検診(年1回)
胸部レントゲン検査を行うほか、希望者には有料で喀痰(かくたん)検査を行います。
自己負担 : 無料(喀痰検査300円程度)
2. 胃がん検診(年1回)
自己負担の目安 : バリウム500円~2,000円程度 胃カメラ3,000円程度
バリウム検診と胃カメラ検診から1つ選べます。
筆者はバリウム検診の再検査(胃カメラ)でピロリ菌があることが判明。その後は毎年胃カメラ検診を受けています。
3. 大腸がん検診(年1回)
便を2日間採取して便潜血の有無を確認します。
自己負担の目安 : 200~500円程度

4. 前立腺がん検診(年1回)
自己負担の目安 : 1,000円程度
血液検査で前立腺から分泌されるタンパク質PSA値を調べます。
5. 子宮頸がん検診(2年に1回)
自己負担の目安 : 1,000円程度
子宮入口の細胞を採取してがんの有無を確かめます。
6. 乳がん検診(2年に1回)
自己負担の目安 : 2,000円程度
マンモグラフィや超音波でがんの有無を調べます。
これらのがん検診は国民健康診断筆者は自分が受けられる検診をすべて受けています。
なお、乳がん検診や子宮がん検診は特定の年齢限定で無料クーポンが配布されます。
詳しくは、お住まいの自治体にお問い合わせください。
生活習慣病予防健康診断

がん検診と同じく重要なのが、生活習慣病予防健康診断です。
こちらは、生活習慣病の予防などを目的としています。
1. 特定健康検査(年1回)
対象者 : 前年の4月1日現在40~74歳の国民健康保険に加入している人
・ 問診、診察
・ 身体測定(身長・体重・BMI・腹囲)
・ 血圧測定
・ 尿検査(尿糖・尿たんぱく)
・ 血液検査(脂質・血糖・肝機能・腎機能・貧血検査)
・ 心電図(希望者のみ)
・ 眼底検査(国の基準に該当し、医師が必要と判断した場合のみ)
2. 年齢別健康検査
検診項目 : 特定健康検査と同じ
3. 後期高齢者医療制度健康診査
対象者 : 75歳以上および65歳以上で一定の障害がある後期高齢者医療費制度加入者
・ 問診、診察
・ 身体測定(身長・体重・BMI・腹囲)
・ 血圧測定
・ 尿検査(尿糖・尿たんぱく)
・ 血液検査(脂質・血糖・肝機能・腎機能)
貧血検査、心電図、眼底検査は医師が必要と判断した場合のみ行います。
いずれも対象者は無料で受けられるので、ぜひ活用しましょう。
なお、自治体の方針や対象年齢によっては、自分で受診券を申請する必要があります。
健康診断を受ける際はその点を事前に確認しておきましょう。
その他
以下のような検診もあります。
1. 骨粗しょう症検診

自己負担の目安:500円程度
レントゲンや超音波で骨密度を調べます。
2. 肝炎ウイルス検査
対象 : 過去に肝炎ウイルスを受けたことがない人
血液検査でB型・C型肝炎の有無を確認します。
3. 風疹抗体検査
自己負担 : 無料(クーポン配布)
・ 妊娠を希望する女性やその配偶者
・ 妊婦の同居家族
・ 昭和37年4月2日~昭和54年4月1日生まれの男性
血液検査で風疹の抗体を確認します。
その結果が陰性の場合、無料で予防接種が受けられる場合もあります。
対象となる人は1度受けておくことをおすすめします。
4. 歯周病検診

歯周病の早期発見を目的としています。
対象者 : 原則40歳以上
〈自己負担〉
歯周病検診 : 40歳以上無料(40歳のみ歯のクリーニングも無料)
歯のクリーニングや40歳未満の歯周病検診は500円程度
提携医療機関(歯科・要予約)に配布された受診券を持参します。
歯周病検診では、歯茎のチェックや歯周病予防の指導などが受けられます。
少ない自己負担で病気の早期発見や早期治療
自営業や専業主婦などは、体を壊しても傷病手当がありません。
だからこそ積極的に健康診断を受け、病気の早期発見や生活習慣病のリスク軽減を心がける必要があります。
それにより、医療費を最小限に抑えることも可能となり、病気による家計への打撃も防げます。
自治体の健康診断は、どれも安い自己負担で受けられます。
定期的に健康診断を受け、QOL(クオリティ オブ ライフ → 生活の質)や家計を良好に保てるように努めましょう。(執筆者:大岩 楓)