家計を見直して組み直すタイミングは、就職、結婚、子どもの誕生、マイホームや車の購入時など人生のイベントを迎えた時。
しかし、子どもが自立した後の夫婦2人になった時の「家計の見直し」は、子育てを終えた解放感からか意外と手付かずになっている場合が多いものです。
今回は、子育てが終わった後の家計の見直しについて考えてみましょう。
目次
子育て終了。夫婦2人なのにメタボ家計のままになっていませんか
子育て期が終了する年代は、一般的に40代半ば~50代後半です。
管理職として活躍する世代なので、20~30代に比べて手取り収入が高い世帯なのが特徴です。
そのため、子どもにかかっていた教育費の負担がなくなると同時に、家計にかなりの余裕が出ます。
しかし、子育て期のままの、いわゆる「メタボ家計」を引きずっていることはありませんか。
家計の見直しをせずにメタボ家計のままになっていると、老後のお金を貯め損ねてしまうこともあります。
子育て終了の解放感にしばらく浸っていたいものですが、家計の切り替えはすぐにでも始めましょう。
1. 固定費の思いきった見直し
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3大固定費でもある住居費、通信費、保険料から思いきった見直しをしましょう。
(1) 住居費
ファミリー世帯用の住居から、思いきって2人世帯にちょうどよい住まいへの住み替えがおすすめです。
持ち家の場合は、住み続ける限り必要となる維持費や税金がどのくらい抑えられるのかなどを検討材料にしてみましょう。
賃貸の場合は、月々の家賃負担が軽減されるので家計の変化を実感しやすくなります。
住宅ローンの残債がある場合は、
・ 教育費分を住宅ローンの繰り上げ返済に充てる
のもよいでしょう。
住居費の見直しは家計見直しに大きな効果を発揮します。
ぜひ見直してみましょう。
(2) 通信費
子育て中は、家族で通信量をシェアできるファミリープランを利用していた方も多いはずです。
しかし、夫婦2人になると通信量やサービスなど契約内容に多くのムダが生じてしまいます。
子どもが自立したら、お使いのキャリアでプランの見直しや、思いきって格安スマホなどに変えるなどの見直しをしてみましょう。
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使わなくなったアプリやサービス、通信量を見直すだけで通信料は大きく節約できます。
(3) 保険料
子育ての間は「万が一の時に、遺された家族の保障のために」と死亡保障や医療保障が充実した保険に入っている方も多いでしょう。
しかし、子どもが自立した後は、子育て中の時のような大きな保障は必要ありません。
・ 不要になった特約ははずす。
・ 保険料を払済みにする。
など保険料の支払いのサイズダウンを考えてみましょう。
また、保険の更新時期であれば共済などの格安の掛け捨て保険に変えてみるなどの方法もおすすめです。
さまざまな角度からアドバイスしてくれるFPなど専門家のカウンセリングを受けてみるのもよいでしょう。
2. 変動費がメタボ家計の原因になる恐れ
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子育て終了後に我慢していた趣味や娯楽を楽しみたいと思うことは当然のことです。
子どもからやっと手が離れて自由な時間を過ごせる中で見つけた新しいやりがいや意欲を見つけることは、これからの生活に楽しさや彩りを添えてくれます。
ただし、趣味や娯楽費にお金をかけ過ぎてしまうと子どもの教育費とさほど変わらない出費になるので注意が必要です。
食費は大きく変化する
長年、食べ盛りの子たちのことを考えて、買い物していたので夫婦2人だけになっても、これまでどおりの家族人数分の食材を買ってしまうこともあります。
買い物に行くときは、冷蔵庫の中の食材の量を確認してムダ買いをしないように気をつけましょう。
子育てが終わったら、老後を見据えたスリム家計にシフトチェンジ

子育てが終わったら余韻に浸ることなく、老後を見据えたスリム家計へとシフトチェンジを行いましょう。
そのためには、老後を見据えて日々の生活スタイルに向き合うことが大切です。
早い段階で家計を見直しておくと、定年を迎えて収入が下がった時もムダのないコンパクト生活で乗り越えていけます。
誰もがうらやむようなぜいたくな老後生活に目を向けがちですが、慎ましやかであっても夫婦2人で充実したシニアライフを送りたいです。(執筆者:花見 結衣)