4月1日に新元号「令和」が発表されて以降、住宅ローンを申し込んでいた婚約者のカップルから、「令和」となる5月1日以降に入籍したいと、問い合わせが急増しています。
今まで新元号にあまり興味を示していなかった婚約者のカップルも、入籍時期を現実に考えた時、やはり新しい元号は自分達の門出にふさわしいと感じているようです。
では、簡単に入籍時期を自分達で決められるのでしょうか。
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当然ながら、住宅ローンと何の関係もない場合や、配偶者を婚約者と同視し何の制限もない「フラット35」、ご主人や奥さまが住宅ローンを単独で組む場合は問題ありません。
しかし、その他の多くの銀行では、最終的な資金交付前までに入籍することが条件となっていることが多いです。
今回は、上記の条件をうまくクリアし、無事に新元号「令和」の希望の日に、入籍する方法をご紹介します。
目次
なぜ、資金交付前までに入籍することが条件となっているのか
この規制が適用されるのは、あくまで銀行などで、お互いが債務者となるペアローンなどを利用する場合です。
しかし、夫婦共働きが一般的となるなか、ペアローンであれば都心の高額物件も買えないことはないため、この規制に引っかかる婚約者のカップルが増えています。
そして、ペアローンなどの商品は夫婦で返済していくことを前提に考えられているため、銀行としては婚約者では担保保全的に弱く、資金交付前までの入籍を求められています。
ほとんどの銀行で追加の書類や役職者面談が求められる
ただし、銀行としても融資条件として、資金交付前までの入籍を求めている訳ではありません。
実際にペアローンを組んだ時点で、婚約者のカップルには返済義務が生じることに変わりはなく、ペアローンの商品性を理解して、夫婦で共同して返済していくという意識付けを図っています。
従って、資金交付後に入籍するのであれば、早めに銀行の担当者に連絡することが必要です。
念書などの提出で済む銀行もあれば、役職者面談が必要な銀行もあります。
どちらも厳しいものではありませんが、きちんと手続きしておかないと、契約違反になってしまいます。
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資金交付前までの入籍と資金交付後の入籍の具体例
では、通常の場合と比較してみましょう。
資金交付日が平成31年4月26日だったとします。
ここで通常であれば、平成31年4月26日までの入籍を求められるため、入籍は平成となります。
しかし、あらがじめ申し出をしておけば、資金交付後の入籍も認められるため、令和元年5月1日や5月5日など、希望通り「令和」に入籍できます。
これは資金交付が令和元年5月15日となった場合も同様で、申し出がなければ令和は15日しかありませんが、申し出をしておくことで令和の希望の日に入籍できます。
婚姻届を間違えると「令和」に入籍できない
それと、住宅ローンで無事に入籍の日を選べても、今年は休日が多いため夜間受付の場合は注意が必要です。
夜間受付はあくまで受付のみで、問題なければ受付の日を入籍日としてくれますが、間違えてしまうと役所から連絡が来た日以降に、入籍日がずれます。
入籍されたカップルが、幸せな人生を歩まれることを祈念しております。(執筆者:1級FP技能士、宅地建物取引士 沼田 順)