5月は年末年始やボーナス月と並んで、住宅ローンの延滞が多い月です。
GWでお金を使い過ぎたからと考えやすいですが、実はその後に待っている税金の支払いが影響しています。
今年はGWが最大10連休ということもあり、例年以上に5月の資金繰りを考えておく必要があります。
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住宅所有者を襲う! GW明けの税金ラッシュ
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5月はGWがある関係で、通常よりもレジャー・交際費にかかる費用が増加します。
特に今年は最大10連休ということもあり、お金の使い過ぎには注意したい所です。
しかし最大の要因は、住宅所有者にGW明けに送られてくる、固定資産税と都市計画税の納付書です。
また、車を保有している世帯では、同時期に自動車税の納付書も送られてきます。
新築住宅所有者は4年、6年後に要注意
忘れやすいのが、固定資産税にかかる新築住宅の軽減措置です(1戸あたり120平方メートルまでの部分)。
新築戸建であれば3年間、新築マンションであれば5年間、固定資産税は上記の措置で半額に軽減されています。
人間というのは、同じ金額を数年間支払っていると、よほど意識していない限り、同じ金額が続くものと考えやすいです。
市町村からの通知書にも、詳細は小さな文字で印刷してありますが、翌年から倍になるというようなチラシは添付されていません。
固定資産税はほとんどの市町村で、4回程度に分割納付できるよう配慮されていますが、分割納付額も倍になります。
そして、固定資産税の納期限は市町村により多少の誤差はありますが、全納(一括納付)と第一期分(分割納付)は5月中です。
自動車税の納期限は5月31日まで
自動車税では、エコカー減税適用前の通常税額で、排気量1.5リットル超2.0リットル以下であれば、乗用車で3万9,500円かかります。
この自動車税に分割納付の制度はなく、納期限も5月31日までですので、自動車保有世帯には痛い出費となります。(クレジットカード払いなどで一部例外あり)
5月の住宅ローン延滞は固定資産税軽減措置終了世帯
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固定資産税と都市計画税は地域によりかなりバラツキがありますが、都市部では、本来の税額が年額20万円以上という世帯が多いです。
仮に今まで軽減措置を受けていて、固定資産税と都市計画税が年額10万円だった場合、4期の分割納付でも、5月の出費は2万5,000円で済みました。
固定資産税の軽減措置が終了し、年額20万円となった場合、4期の分割納付でも、5月の出費は5万円です。
これに上記の標準的な自動車税を追加すると、5月の出費は税金関係だけで10万円弱と、1回分の住宅ローン返済額並みになるので、軽減措置終了後の延滞が目立ちます。
対策として流動性預金は必ず確保しておく
これらの税金の納税通知書が、ボーナス支給以降であれば状況も改善すると感じるのですが、現在の所、変化の兆しは見られません。
ある程度の普通預金を必ず確保しておくことが、1番の対策です。
最近はネット銀行でようやく利息が付く程度なので、余剰資金は繰上返済される方も多いのですが、繰上返済しすぎて延滞してしまっては元も子もありません。
また、こういう時に銀行カードローンを利用してしまう人もいますが、1度利用するとやめられなくなる人が多いのでお勧め出来ません。
そういう意味でも、最低100万円程度の普通預金は、他の緊急事態に備えるためにも、用意しておきべき資金と言えそうです。(執筆者:1級FP技能士、宅地建物取引士 沼田 順)