文部科学省が発表した平成29年度学校基本調査によると、高校進学率は98.8%!
高校進学はもはや義務教育なのかと感じてしまいますが、保護者が負担する教育費は義務教育期間と比べると一気にアップします。
夫婦が揃っている家庭の家計でも高校からの教育費は大きな支出ですが、平均収入が低いシングルママ家庭の家計では実費負担が増える教育費は大きな負担です。
今回は、所得が低い世帯を対象に給付される高校生等奨学給付金について紹介します。
子どもが安心して教育を受けるための大切な給付金です。
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目次
シングルママを悩ます教育費。高校進学後は教育費の負担がアップ
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シングルママの平均収入は、シングルパパ世帯の年間平均収入(厚生労働省 全国ひとり親世帯等調査)420万円を大きく下回る、243万円です。
「安定しない。」
「複数のパートを掛け持ちしていても家計はギリギリ…。」
というシングルママ家庭も少なくありません。
高校進学後の教育費がシングルママ家庭の家計を悩ます大きな負担になっていることもあり、家庭の経済的事情から子ども自身が高校進学を躊躇する、または進学後に高校の費用のためにアルバイトを始めるというケースも少なからずあります。
高校生等奨学給付金とは?
高校生等奨学給付金は、「勉強したい」という意思のある全ての生徒が安心して教育を受けられる機会を均等にすることを目的にして、授業料以外の経済的負担の軽減を図るための制度です。
教科書、教材費、入学学用品費、通学用品費、修学旅行積立金、生徒会費など、授業料以外の教育費に充てることできる給付金であることが特徴です。
授業料に充当される就学支援金制度とは別の制度です。
生活保護受給世帯で年額3万2,300~5万2,600円、非課税世帯では年額3万6,500~3万8,100(通信制)、または年額8万800~13万8,000円(全日制等)と給付金額には幅があります。
第一子もしくは第二子以降なのか、また在籍する高校が国公立なのか私立なのかによって給付額は異なります。
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受給できる条件とは?
高校生等奨学給付金を申請受給するための諸条件は、文部科学省によって決められています。
・基準日(7月1日)現在で保護者の住所が申請自治体にあること。
・生徒が平成26年度以降の入学者であること。
・生徒が国公立高等学校等に在学し,高等学校等就学支援金の受給資格を有する、または高等学校等就学支援事業費補助金(学び直しへの支援)の補助対象として認められていること。
その他にも各自治体によって基準日や条件が異なる場合があるので、申請前に条件をしっかり確認するようにしましょう。
条件に当てはまるなら必ず申請を。通っている高校に確認してみましょう
高校生等奨学給付金の申請は、毎年7月頃に子どもが在籍している学校を通じて申請書類が配布されます。
高校生等奨学給付金も子どもの在籍を確認するために学校経由での提出となるので、申請書や必要書類を揃えて提出期限までに必ず申請するようにしましょう。
審査期間は通常約60日、審査に通過すれば2~3か月後には指定した銀行口座に振り込まれます。
2学期中には給付されるので、家計も心もホッとできるのではないでしょうか?
家庭の経済状況が大きく変動する理由は離婚や死別、リストラ、倒産などさまざまですが、家庭の経済状況が厳しくても「学びたい」と希望する子どもの未来は守ってあげたいです。
高校生等奨学給付金は子どもが安心して学べる環境を整えるために不可欠な支援制度です。
もしご家庭が申請に当てはまるのであれば、必ず申請するようにしましょう。(執筆者:花見 結衣)