本記事では
ということについて解説します。
どういうことでしょうか。
見てみましょう。

目次
アンカリング効果とは
アンカリング効果とは、行動経済学などで用いられる心理的な効果のことを指しています。
例えば、こんな感じです。
このようなクイズが出たとします。
ちなみに、正解は8,850m(参考:ウイキペディア ※年々変動する)だそうです。
もちろん多くの人は正解を知りません。
ただ、上記のような「質問の仕方」ですと、多くの人は低い数値を答えがちです。
なぜでしょうか。
実はここにアンカリング効果があります。

直前の数値がアンカー(いかり)となってしまう
アンカリング効果のアンカーとは、船の「いかり」のような意味合いです。
アンカー(いかり)とは、船が流されないようにする、おもりのようなものです。
そして、このアンカーは、私たちの心にもあります。
先ほどの問題では、直前の情報である「東京スカイツリーは高さ634メートルである。」という数値が無意識のうちにアンカーになりました。
そのため、多くの人はエベレストの数値を低く答えがちです。
ちなみに、次のようなアンカーの場合はどうなるでしょうか。
このような問題ですと、4万メートルがアンカーとなり、多くの人は大きな数値を答えがちです。
スーパーでのお買い物では誰でも厳しいチェックをする
これをお金に当てはめると、どうなるでしょうか。
例えば、スーパーにお買い物に行ったとします。
入り口には数十円、数百円の安い目玉商品が並んでいます。
中へ進んで行って、千円を超えるような食品を見ると「んまー、高いわね。これは買わないわ。」と思いがちです。
これは、入り口の安い目玉商品が無意識にもアンカーとなり、財布のひもをきつくするからなのかもしれません。

百貨店でのお買い物では、財布のひもが緩みがち
一方で、高級なデパートへ行くとどうでしょうか。
1階には、きらびやかで高価な宝飾品などが並んでいます。
お値段を見ると、数万円~数百万円のものまであります。
その後、地下の食品売り場に行って、千円を超える食品を見ると「んまー、安いわね。これを買いましょう。」と思うかもしれません。
この場合は、1階の高額な宝飾品が無意識にアンカーとなり、財布のひもを緩めるのかもしれません。
仮の話ですが、もし1階に100円ショップが入っている百貨店があれば、どうなるでしょう。
その他の階の品物は極端に高く感じられて、売れなくなるかもしれません。
アンカリング効果を味方につける
アンカリング効果とは、直前に見た数値がアンカーとなる心理的な現象でした。
多くのビジネスでは、このアンカリング効果を利用して客単価を上げようと考えています。
アンカリング効果が働くと、価値観の基準がずれて、つい高額な出費を許してしまうことがあります。
ついつい財布のひもが緩くなってしまってお困りの人は「お店に入る前に、小さな数字を見る」と、少しだけお買い物上手になるかもしれません。(執筆者:佐々木 裕平)