毎日が楽しく気ままにお金に悩むこともほとんどない生活。
こんな生活ができるなら、いつまでも続いてもらいたいものだと誰もが思うのではないでしょうか。
実は、完全リタイアした現在の定年後の生活というのは、このような状況に近いのではないかと思います。
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目次
定年後の生活とは
物心ついたときから日々の生活は、朝は6、7時頃に起き、夕方か夜まで働いたり勉強したり、そして週単位では休んでもよい日が設けられるという生活パターンです。
週単位での休日は、休息やリフレッシュメントのためです。
平日は、一所懸命にはたらき勉学をする時間です。
このような日単位、週単位の生活パターンは、仕事をしなくなる前まで、約60年間前後にわたって続きます。
ところが、仕事をしない定年後になると、この60年にわたって続いてきた生活パターンが突然、変化します。
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具体的には、週5日間か週6日間の働く時間帯が空白になります。
働いたり勉強していた時間を自分の好きなように使えます。
時間を好きなようにして良いといわれるところに定年後は「毎日が日曜日」というイメージに繋がるのかも知れませんが、休みの日とは働いたり勉強する休養です。
定年後は「毎日が日曜日」ではありません。
つまり、仕事のない定年後とは、実は人生で経験のしたことのない日々を過ごします。
現役時代には限られた1日24時間のなか一心不乱に働いたり勉強していた生活から、「時間を持てあまし」気味の生活に大転換します。
そして、この生活はお金の心配さえなければ、まさに地上天国のような生活ではないかと思えます。
この定年後の生活を主に支えているのが公的年金です。
もちろん、公的年金だけでは十分ではないので、お金つまり金融資産を持つわけですが、やはり主役は公的年金です。
公的年金の代わりになるような金融資産や収入源があれば、年齢に関係なく、いつでも完全リタイアできます。
長寿は祝うべきものだが
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最近のデータによると、
になります。
これは平均なので、たとえば平成29年数値で男性65歳の人の平均余命は約20年で85歳まで生きると統計的になります。
そして、85歳の人の場合は、平均余命は6.26歳、平均で90歳超です。
65歳定年としても平均として25年以上の余命があります。
男女ともに長寿なので、定年夫婦として過ごす時間が長くなると予想できます。
長寿は祝うべきものです。
しかし、お金、健康など本当に大丈夫かなと思ったりもします。
人生100年は「おひとりさま」では長過ぎて寂し過ぎる
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年をとって「おひとりさま」でいることを私は勧めていません。
40、50代はシングルであっても、人生の後半からは、配偶者・パートナーになることを勧めています。
高齢になると、配偶者・パートナーが必須だからです。
50代になるとパートナー、相棒という感じでしょうか。
子どもの心配もありません、パートナーとともに日々を楽しめば良いのです。
人生後半では、配偶者・パートナーが必要なことを理解させてくれる本があります。
蛭子能収さんの「ひとりぼっちを笑うな」という本です。
群れずにひとりであることは悪いことではないというスタンスの本ですが、「本当の『孤独』を知った前妻の死」という節があります。
50歳過ぎまで孤独をとくに感じることがなかった著者が51歳の妻に急逝されてしまい、子ども、友人、ペットや趣味などでは、とても喪失感を埋めきれなかったと述べています。
そして、蛭子さんは再婚し、配偶者という存在の素晴らしさを教えてくれています。
「ひとりぼっち」には例外があり、それは配偶者であり、決して「ひとりぼっち」ではありません。
ただ、70代、80代で配偶者を失うと、以後はひとりぼっちになってしまいがちですが、ひとりぼっちというのは男性よりも女性の方が強いように思えます。
人生100年に「定年夫婦」が必須なわけ
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まずは確率論から考えてみましょう。
病気や失業など人生にとって厳しい危機に陥る確率が5%あるとします。
これが夫婦2人の場合に、2人がともに厳しい危機に陥る確率は0.25%になります。
これが3人(たとえば頼りのなる子供がいる場合ですが)では、限りなく0に近づきます。
パートナーでいることのメリットは、数多くあります。
気心が知れて共に暮らせるというのは、安心であり安全にも繋がり、孤独による無駄な出費や行為がなくなります。
また、ひとりでいると知らず知らずのうちに「偏り」が生じてしまいます。
それをチェックしてくれるのが配偶者であり家族になります。
ひとりということは自助と公助の世界ですが、2人になると自助、共助、公助と助け合う世界が広がっていきます。(執筆者:井戸 美枝)