非常時、食べるもの・飲むものがないと精神的にも体力的にも危機となります。
本当に被災して避難所で生活せざるを得なくなった場合、避難して数日すれば食料が配られたりもしますが、最初の混乱時はそうもいきません。
そのため、各家庭で普段から飲料水や保存のきく食料などを備蓄するよう政府は呼びかけています。
首相官邸HPによると、大規模災害発生時には1週間分の備蓄が望ましいとされていますが、まずは1人3日分の食料・飲料・生活必需品の備蓄をするよう推奨しています。
冷蔵庫や冷凍庫の食品から食べることで最初の数日は過ごせるので、備蓄の3日分と合わせると1週間ほどもちます。
備蓄すべきものは次のとおりです。
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そのなかでも非常食については、ふだんの生活で食べる食品をいつも多めに一定量ストックしておくという「ローリングストック」がおすすめです。
目次
なんとなくのローリングストックではダメ
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「ではさっそくローリングストックを!」
とばかりにレトルトカレーやパックごはん、缶詰などをまとめ買いしてときどき食べてと実践してみるも、いつのまにかストック食品のうち特定の種類がきれたり循環していないことがあります。
幸いにして非常食として使う機会がないから困らないだけで、実は食料3日分そろっていない、あるいは賞味期限切れのものが混じっているということになってませんか?
ローリングストックをきちんと機能させるためには正しいやり方があります。
「なんとなくローリングストックしているつもり」ではなく、来る災害に真剣に備えるため、ローリングストックの具体的な方法を知っておきましょう。
ローリングストックの具体的なやり方
(2) 1か月に1回、9食分のうち「1食分」を食べます。
(3) 食べた「1食分」を買い足してストックします。
この(1)~(3)がローリングストックの理想的なやり方です。
消費、買い足しは消費期限切れにならないように必ず先入れ先出しで行います。
この方法を習慣づけると、最初に用意した9食分が9か月で全部新しいものに入れ替わります。
適当にローリングストックをやっていると、たとえば好みのレトルトカレーばかり入れ替わって、長くもつからと後回しだった缶詰がいつのまにか消費期限切れ、なんてことがなくなります。
コツは、ローリングストックの家族9食分はまとめて保管しておくことです。
月に一度食べるときに次回食べるものを決め、シールやふせんを貼ったりして明確にしておくことです。
ふつうの食品のストック群にまぎれこむと、適量を管理したりシステマチックにローリングするのはむずかしくなります。
家族が多いと9食 × 人数分のローリングストック食品はかなりの量になるので、まとめて保管するには、無印良品のポリプロピレン引出式収納ケースや頑丈収納ボックスなどに収納するのがおすすめ。
もちろん、わざわざ収納ボックスを購入しなくても、たまにしか使わないクーラーボックスやスーツケース、たまっているイケアのショッピングバッグなどを活用してもいいです。
なお、ローリングストックを消費する日は、そのときの気分で選ばず、ちゃんと指定しておいたものを食べるよう徹底しましょう。
そうすることで、キッチリと規則的にローリングしていきます。
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月に一度の消費する日はラクも節約もできる
食事づくりは毎日のことなので、手抜きしたい日もあれば、時間がなかったり疲れていたりしてつくれない日もあります。
そんな日はお惣菜やお弁当を買ってきたり、冷凍食品やレトルト食品などに頼ることもあるでしょう。
そのような日の1日を、ローリングストック消費日にしてしまいましょう。
もの足りないと思ったら、プラスでほかのものも食べればいいし、非常時の訓練と思って備蓄の1食分ですませるのもアリです。
ローリングストックする1人の1食分が100~300円と考えると節約ごはんです。
多少栄養バランスが心配だとしても1か月のうち1食分ですし、訓練なのですから罪悪感は不要でラクすればよいのです。
少し不安がある場合は「時間差」で購入
非常用食品より安くできるローリングストックでも、最初に一気に買いそろえるのはキツイという家計もあるでしょう。
そんな場合は、最初は5食分買って1~2か月後に残り4食分買うなど、時間差で9食分をそろえてもいいです。
ローリングストックが軌道にのってくれば、特別な出費もせず常に3日分の食料があるという安心した生活ができます。
体調をくずしてごはんがつくれないときも、毎月食べているようにローリングストックから食事をとればいいんだと家族が把握していれば大丈夫です。
お弁当を買ったり宅配ピザを取ったりと、思いがけず出費してしまうこともないので安心して寝込めます。
いざというときのために、ぜひカンタンにできるローリングストックで食料の備蓄を始めてください。(執筆者:野原 あき)