お金の話はプライベートに深く関わる話です。親子といえどもうかつに触れられません。
しかし、高齢の親はいつ倒れるかわからないのも事実です。
介護や葬儀の費用、相続に関するお金も懸念材料です。
だからこそ、親が元気なうちにどの程度金銭的備えがあるかを知っておき、いざというときに慌てず対処できるようにしておくことが重要です。
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目次
親の預貯金額や負債額
親が高齢になったら、子どもは親の預貯金や負債についてある程度知っておく必要があります。
いざという時に備えて、親の所持金で介護費や医療費、葬式などの費用をどの程度賄えるかを把握しておきましょう。
さもないと、必要な時必要な費用を払えないという事態も発生しかねません。
その点を親に理解してもらった上で、現在の親のおおよその貯金額や負債額について聞いておきたいところです。
筆者の親を含めた高齢者はそのことを承知しており、自分から子どもに情報提供してくれるケースも多いです。
その際に「お金の話は面倒だ」などと思わず、親のお金についてしっかり話し合っておくことが極めて重要です。
通帳や証券類、金庫の鍵などの場所
通帳や証券類、キャッシュカード、金庫の鍵などが家のどこにあるかも聞いておきましょう。
また、あらかじめ親のキャッシュカードの暗証番号を聞いておくと、急に親が倒れた際に必要なお金を引き出すことが可能です。
それらの情報を親から聞いたら、子どもはそれを厳重に管理しておかねばなりません。
情報が外に漏れやすいパソコンやスマホで管理するのは避け、手帳などに書いて鍵のかかる場所に保管しておくことをおすすめします。
なお、銀行によっては離れて住む家族でも代理人カードを作れる場合があります。
子どもの誰かが親の銀行口座の代理人カードを作っておけば、仮に親が認知症になっても代理人の子どもが口座からお金を引き出せます。
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相続についての親の考え
相続についての親の考えも聞いておく必要があります。
親が亡くなった場合の法定相続分は、配偶者2分の1、残りの2分の1が子どもです。
しかし筆者の知る限りでは、残った親(配偶者)が家を含めた遺産を全て相続するケースも結構あります。
また、同居の子どもがいる場合などは、兄弟間で配分の割合が違うケースも多いと聞きます。
筆者の知り合いでも、それが原因で非常にもめた事例がいくつかあります。
その当事者は、親が元気なうちに親子間でそのことについて合意しておけばよかったと深く後悔していました。
親が亡くなったあと実家をどうするか
親が両方亡くなった後、実家をどうするかについても親子兄弟で話し合う必要があります。
すでに子ども全員が自宅を所有している場合は、親の家の売却も視野に入れなければなりません。
筆者は一度不動産会社の人に実家の相続について相談したことがあります。
その時の不動産会社のアドバイスによれば、実家を売却するかどうかのポイントは4つあるそうです。
2. 家の築年数
3. 実家を相続した場合の維持費用
4. 土地の路線価
以上のことを考慮した上で、実家を売却するかどうかを決めるといいそうです。
また、誰が実家を相続するかについても親が元気なうちに話し合っておくと、後でもめる確率が下がるとのことでした。
葬儀に関する手続きやその費用について
親が亡くなった時の葬儀やお墓についても話し合っておかなければなりません。
1. 葬儀会社の選定
葬儀の規模や予算などをもとに、本人の希望を考慮して選びます。
2. 葬式の規模
葬式に誰を呼ぶか、家族葬にするか否かが焦点となります。
3. 新聞広告を出すか否か
新聞の訃報欄の掲載費用や想定される弔問客を考慮して決めます。
4. お墓
宗教、宗派、お墓の場所、永代供養など、ケースにより費用が大きく変わります。
5. 喪主や施主について
経験者曰く、通常は残った親か長子が喪主や施主になるとのことです。
筆者の同年代は親を見送る人が増えています。
喪主を経験した友人からは、葬儀について親の生前に必ず話し合っておくようにとアドバイスを受けました。
高齢の親と密に連絡を取り、オープンにお金の話をしよう
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お金のことは親子間でも話しづらいため、つい後回しにしがちです。
しかし、介護や葬儀、相続にも深く関係するお金の話を避けて通ると後で困ることも事実です。
それを防ぐ最良の方法は、ふだんから親の様子を気にかけ、こまめにコミュニケーションを取りながらオープンにお金の話をすることです。
筆者の親子もそうですが、ふだんの何気ない雑談から自然とそのような話になり、その流れでスムーズにお金について話し合うことができることが多いものです。
高齢の親を持つ世代は多忙で親との連絡が途絶えがちですが、後々のことを考え、努めて親と連絡を取り合うことをおすすめします。(執筆者:大岩 楓)