
連日の猛暑で冷房をつけっぱなしにしていると、翌月の電気代の請求に思わず青ざめてしまう。そんな夏がやってきました。でも、こまめにオン・オフするより、実はつけっぱなしのほうが得なことも。カギを握るのが、エアコンにプラスするサーキュレーター1台です。冷気が部屋全体に行き渡り、設定温度を上げても涼しさをキープ。ムダな冷やしすぎが消えるぶん、電気代もしっかり抑えられます。この夏の光熱費に差をつける置き方と設定温度のコツを、家計目線で整理しました。
併用で電気代が下がる仕組み
冷たい空気は下にたまり、暖かい空気は上にたまる性質があります。冷房中は足元だけが冷え、天井付近に熱がこもるといった温度のムラが起きやすくなります。
サーキュレーターで室内の空気をかき混ぜると、この上下のムラが解消され、部屋全体の温度が均一になります。その結果、設定温度を1度高くしても体感の涼しさを保ちやすく、その分だけ消費電力を抑えられます。
家庭で使う電気のうち、冷暖房が占める割合は大きいとされています。エアコンの効率を少し高めるだけでも、年間の電気代では無視できない差になります。
夏の冷房を効かせるサーキュレーターの置き方
基本は、下にたまった冷気を部屋全体へ行き渡らせることです。エアコンの対角線上にサーキュレーターを置き、エアコンへ向けて風を送ると、床付近の冷気が押し上げられて循環しやすくなります。
このとき、エアコンの風向きは水平に近づけるとよいでしょう。冷気が一気に床へ落ちるのを防ぎ、部屋をゆるやかに回るためです。
天井が高い部屋やロフトつきの間取りでは、冷気が下に落ちてこもりやすくなります。サーキュレーターを上向きにして冷気を戻すか、2台を使い分けると涼しさが均一になります。
冬の暖房でも使える循環のコツ
同じ考え方は暖房にも応用できます。暖気は天井にたまるため、足元が寒く感じられやすいからです。
サーキュレーターを部屋の中央付近に置き、天井へ向けて回すと、たまった暖気が下りてきて足元まで暖まります。夏と冬で風の向きを変えるだけで、一年を通して冷暖房の効率を底上げできます。
2部屋をまとめて冷暖房するときの工夫
隣り合う部屋にも空気を送りたいときは、季節に応じて向きを変えます。冷房中はエアコンに背を向ける形でサーキュレーターを置き、冷気を隣室へ流すとよいでしょう。
暖房中は暖気が上にたまるため、部屋の中央で天井へ向けて回すと、開けたドア越しに暖気が広がりやすくなります。間取りに合わせて置き場所を試しながら調整してみてください。
併用で失敗しないための注意点
置き方を誤ると、かえって空気の流れを乱し、効率が落ちることがあります。とくにサーキュレーターの風がエアコンの温度センサーへ直接当たると、設定どおりに運転しない場合があるため避けたいところです。
動作音が気になる方は、モーターの種類を確認するとよいでしょう。DCモーターを使ったモデルは、一般的なACモーターより静かで、消費電力も小さい傾向にあります。
設定温度を1度見直した場合の電気代削減の目安
具体的な効果を、電気料金の目安単価(1kWhあたり31円)で試算した例で見てみます。資源エネルギー庁は、外気温度31度のときにエアコン(2.2kW)の冷房設定温度を27度から1度上げた場合、使用時間9時間/日で年間30.24kWhの省エネ、約940円の節約になると示しています。
サーキュレーターを併用すれば、設定温度を下げなくても体感の涼しさを保ちやすくなります。エアコンだけで室温を下げようとする前に、風向きと空気の循環を整えることが節約の第一歩です。
ただし、電気料金の単価や機種、部屋の環境によって金額は変わります。あくまで目安として、ご自宅の使い方に当てはめて考えてみてください。
効率を保つためのエアコンの手入れ
フィルターにほこりがたまると風量が落ち、同じ涼しさを得るために余計な電力を使ってしまいます。2週間に1回程度を目安に、フィルターを掃除しましょう。
内部のカビや室外機まわりの汚れも効率を下げる原因になります。数年に一度は、専門業者によるクリーニングを検討するのも一つの方法です。
夏の電気代を抑える冷房環境の見直し
サーキュレーターは比較的手軽に用意でき、置き方を工夫するだけで冷暖房の効率を底上げできます。設定温度を1度見直すことと合わせれば、夏の電気代を無理なく抑えられます。猛暑のシーズンが本格化する前に、ご家庭の冷房環境を一度見直してみてはいかがでしょうか。


