
待ちに待った7月のボーナス。ところが明細を開いた瞬間、「え、これだけ…?」と固まった経験はありませんか。実は、額面のおよそ2割はあなたの手に渡る前に消えています。犯人は、健康保険・厚生年金といった社会保険料と、しれっと差し引かれる所得税。何がどれだけ引かれ、手取りにいくら残るのか。ボーナスの「消えた2割」の正体を、家計目線で暴きます。
額面と手取りが大きく違う理由
賞与も毎月の給与と同じように、税金と社会保険料が差し引かれてから振り込まれます。額面がそのまま口座に入るわけではないため、受け取る前に中身を知っておくと、使い道の計画が立てやすくなります。
一般に、手取りは額面のおよそ8割が目安とされています。たとえば額面30万円なら、手取りはおおむね24万円前後になる計算です。ただし、加入する健康保険や扶養の状況によって変わるため、あくまで目安として考えてください。
ボーナスから引かれる社会保険料
賞与から引かれる社会保険料は、健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料の3つが基本です。40歳から64歳までの方は、これに介護保険料が加わり、その分だけ手取りは少なくなります。たとえば協会けんぽでは、2026年4月分から健康保険料に子ども・子育て支援金も上乗せされています。
厚生年金保険料は、標準賞与額に対して18.3パーセントを会社と折半する仕組みで、本人が負担するのはその半分です。健康保険料は加入する健康保険や協会けんぽの都道府県単位保険料率などによって率が異なり、雇用保険料も事業の種類ごとに定められた率で計算されます。料率は年度によって見直されるため、最新の保険料額表で確認しましょう。
賞与にかかる所得税の決まり方
賞与からは所得税も源泉徴収されます。税額は、賞与を支給する前月の給与から社会保険料等を引いた金額と、扶養親族等の人数をもとに、決められた率で計算されます。2026年中に支払われる賞与では、令和8年分の「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」を確認します。
このため、同じ賞与額でも、前月の給与や家族構成によって引かれる所得税は変わります。ここで引かれるのはあくまで概算で、最終的には年末調整で精算されるため、払いすぎた分があとから戻ることもあります。
賞与から住民税が引かれない理由
見落としやすいのが住民税です。住民税は前年の所得をもとに計算され、毎月の給与から少しずつ天引きされる仕組みのため、賞与からは差し引かれません。
そのため、賞与は給与よりも手取りとして残る割合が高いと感じることがあります。住民税がかかっていないわけではなく、給与側で一年を通して負担している点を押さえておきましょう。
額面別に見る手取りの目安
額面ごとの手取りの目安は、次のようなイメージになります。額面30万円ならおよそ24万円、額面50万円ならおよそ40万円、額面100万円ならおよそ80万円前後が、実際に受け取れる金額の目安です。
注意したいのは、額面だけで手取り割合が決まるわけではないことです。賞与の所得税率は、原則として前月の社会保険料等控除後の給与等の金額と扶養親族等の数をもとに決まります。同じ賞与額でも前月給与や扶養の状況、加入している健康保険、年齢によって手取りは変わるため、金額が大きいボーナスほど、引かれる分もあらかじめ幅を持って見込んでおくと安心です。
手取りを活かすための使い道
まず手取りを把握したら、次に使い道の配分を決めます。おすすめは、振り込まれた時点で貯蓄や投資に回す分を先に取り分け、残りを使う分と考える方法です。先に残す分を決めることで、使いすぎを防げます。
まとまったお金が入るボーナスは、将来に向けた資産づくりを始めるきっかけにもなります。使う楽しみと備えのバランスを取りながら、計画的に活かしましょう。
夏のボーナスを計画的に活かす考え方
賞与は額面のおよそ2割が税金や社会保険料などに回り、手取りはおよそ8割が目安です。引かれる中身を理解しておけば、振り込み額に一喜一憂せず、計画的に使えます。今年の夏のボーナスは、中身を確認したうえで賢く活かしてみてください。


