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不動産投資の種類と特徴
数ある投資商品の中で「不動産」と聞くと不動産の購入・運営を思い浮かべる方が多いと思いますが、証券化されたREIT(不動産投資信託)もまた「不動産」への投資といえます。
今回は現物不動産投資とREITの違いやそれぞれの特徴などについて解説していきたいと思います。
実際に物件を所有する「現物不動産投資」
現物不動産投資とは、戸建て・アパート・マンション・ビルなどの土地建物を購入し、運営して収益を上げる投資方法のことをいいます。
現物不動産投資はREITも含めた他の金融商品と比べると「事業性」が強く様々な特色があります。

銀行借入可能で資産の増加スピードが速い
10%以上の高利回りを得ることも可能で、リフォームなど不動産に手を加えることによって、資産価値や運用益などをコントロールすることができます。
また、現物不動産投資は「銀行借入が可能」であることが大きな特徴です。
借入を行うことでレバレッジ(てこの原理)を利用することができるため、資産の増加スピードが速くなります。
さらに、相続税や贈与税を筆頭に様々な節税効果を期待できます。
投資額が大きい分リスクも大きい
ただし、銀行借入を含めると総投資額は数千万円~数億円となりますので、失敗してしまった時のリスクは大きくなります。
また、一般的には投資を開始するには最低でも数十万円~数百万円の自己資金が必要です。
さらに、購入時・購入後の運営・売却時と常に手間と時間が掛かります。
その他のデメリットとしては流動性が低いことが挙げられます。
不動産売買から引渡しまで完了させ現金化するには通常数か月程の期間を要します。
不動産を証券化する投資方法「REIT」
一方、REITとは「Real Estate Investment Trust」の頭文字を取って略したもので、日本語で「不動産投資信託」と呼ばれている不動産を証券化した金融商品のことをいいます。
まず、不動産投資法人が証券を発行して証券会社に上場し、投資家から資金を集め不動産を購入します。
そして、購入した不動産から賃料や売却益などの収益を得て投資家へ還元しています。

小口化でリスクが小さく自由度も高い
REITは小口化されて販売されており、中には1口数千円から購入可能なものもあり、リスクを抑えて投資を行うことができます。
不動産は専門家が運営・管理していくため、株を購入した時と同じよう購入後の手間は掛かりません。
また、REITは証券化されていることから流動性が高く、好きな時に購入・売却することが可能です。
現物不動産投資と比べると利回りが少ない
REITの平均利回りは3~4%前後と金融商品としては決して悪くはない数字ですが、現物不動産投資と比べると大きく差があります。
また、REITの場合は実物の不動産を所有しているわけではありませんので、証券元の不動産投資法人が倒産したり、上場規定に抵触し上場廃止となれば価格の大幅下落・紙切れ同然となるリスクが考えられます。
自分に合った投資方法を選択しよう
将来的に大きな資産を持ちたいと考えている方には現物不動産投資、手間は極力少なくし小さな収益を積み重ねていきたい人はREITの方が向いているかもしれません。
もちろん、併用しても大丈夫です。
ご自身の資産状況と将来的な目標を考えながら、しっかりと勉強して判断していきましょう。(執筆者:菊池 悠介)