金融庁がまとめた報告書では、年金収入とは別に2,000万円の資金が必要との試算が示されました。
ですがこの試算は、単純なモデルケースをもとに行われており、後に事実上の撤回に追い込まれました。
しかし、年金収入だけで老後の生活が支えられると考えている人は少なく金額の是非はあれ、ある程度の老後資金を別途用意する必要があるのは納得しやすいのではないでしょうか。
本記事では、用意すべき老後資金とそれを準備するため、近年注目されている資産運用の有効性について説明させていただきます。
目次
必要な老後資金はいくら?

実際に老後資金が不足するか否かは、
・ 現役時代の収入や年金の加入状況
・ 住んでいる地域の物価や住居の所有形態
などによって大きく左右され、個人差が大きくなります。
厚労省が想定したモデル世帯
年金支給月額22万1,500円と、総務省の発表する家計調査の平均支出月額26万円を使用し、65歳からおおよその平均寿命85歳までの20年間で試算を行った場合、不足する金額は924万円となりました。
この金額を現役の40年間貯蓄のみで準備しようとした場合、月額約2万円の積立が必要となります。
資産運用の効果とは?
政府の「貯蓄から投資へ」の方針を受け、資産運用が有効であると耳にする機会は多くなってきています。
資産運用を行うにあたり元本割れにより損失を被るリスクもありますし、日本株はバブル崩壊やリーマンショックなどの不況により大きく値を下げることもありました。
こうした苦い記憶から株式による資産運用に大きなリスクを感じるのも無理はありません。
国内債券投資
あまり大きなリスクを取りたくない方にオススメしたいのが投資信託を利用した国内債券投資です。
国内債券の市場動向を示す「NOMURA-BPI 総合指数」を見ると、株式などと比べて値動きが小さく、好不況による価格下落の影響をあまり受けず、右肩上がりの着実なリターンを上げ続けています。
国内債券での資産運用を行い、仮に40年間の年率平均を3%とした場合、必要な積立額は月額約1万円となり、貯蓄のみで貯める場合の半分の積立額で済むようになります。
ライフプランを作成してみましょう

老後資金の全容は個人差が大きいため、試算による数字は目安程度になります。
老後資金を準備する必要がある場合、資産運用を利用することで積立額を減少できます。
資産運用では株式が注目されますが、
・ リスクの比較的小さい国内債券でもかなりの効果を得られる
・ リスク許容度の低い高年齢世帯でも手掛けられる
といった特徴があります。
老後資金に不安を感じている方は、人生のお金の流れを一覧できる「ライフプラン作成」や「資産運用の検討」を行って、過不足の状況を確認してください。(執筆者:菊原 浩司)