いまブームのタピオカですが、ヤフーニュースで
「原価の安いタピオカがヤクザの資金源になっている」
という記事が掲載され、よくも悪くもますます注目されています。
そんなタピオカが入った色鮮やかなドリンク類が、インスタ映えすると若い女性を中心に大人気。
なかでも、「タピオカミルクティー」は安定の人気商品です。
そこで今回は、タピオカミルクティーの気になる値段と原価構造を分析してみました。

値段、内容量は執筆当時のものです。変わる場合がありますのでご了承ください。
目次
ちまたのタピオカミルクティーのお値段は?
タピオカミルクティー店やタピオカドリンク店で販売されているタピオカミルクティーの価格を、東京、大阪、地方で比較すると、レギュラーサイズで500~600円程度だということが判明しました。
関西と関東の価格差があまりなく、むしろ関東のほうが500~550円の間が多く安い印象を受けました。
また、持ち帰り専門店や移動販売は店内販売のお店よりも高い印象で、プラスチック容器代も考慮しているように感じられました。

原価構造とは?
原価構造とは、売上原価や製造原価のことで、売れた商品の仕入れ価格や製造をするときにかかった費用のことです。
では、次の項目で売上原価と粗利(儲け)の計算方法をみてみましょう。
売上原価と粗利(儲け)の計算方法
たとえば、タピオカミルクティー1杯分の仕入れにかかった費用が、
・ タピオカ 50円
・ ストロー 5円
・ プラカップ容器 10円
の合計165円だったとします。
そして、100杯分のタピオカミルクティーが作れるよう仕入れたとすれば、仕入れにかかったお金は1万6,500円です。
もし、100杯分のミルクティーの仕入れをしたとして、80杯が売れたとしたなら、売上原価は「155円(ミルクティー100円+タピオカ50円+ストロー5円+プラカップ容器10円)× 80杯(売れた商品数)」となります。
そして、計算して出た「1万3,200円」という数字を、実際に売り上げた商品金額から引くと、粗利を知ることができます。
たとえば、売れた80杯の値段が500円だったとすれば、「80杯 × 500円=4万円」。
この4万円から1万3,200円を引いた2万6,800円が、粗利です。
タピオカ自体の仕入れ価格
つい先日のヤフー記事で、タピオカ20グラムの原価は輸入品の安いもので約6円という記事が掲載されていました。
現在は味のよいタピオカは独自のルートがないかぎり品薄状態にあるようです。
そのため、モッチモチでおいしいタピオカは値段が高騰したり、売り切れ状態を繰り返したりしています。
タピオカもピンキリですが、タピオカ20gが数円~数十円程度。
業務用で調べてみたところ約30~100円程度と幅広い印象を受けました。
ミルクティー自体の仕入れ価格

こちらは、1杯分300mlが数円~数十円程度。
業務用で調べてみたところ約20~50円程度のものが多い印象を受けました。
ただ、競争店舗も増え、茶葉やミルクにこだわって仕入れる店舗も多いようで、仕入れ価格は上がっているようです。
ストロー自体の仕入れ価格
吸うと、スポっとタピオカがいい感じで入るストローは1本が数円~数十円程度。
業務用で調べてみたところ約3~15円ぐらいのものが多い印象を受けました。
では、一般人が気軽に購入できる容量で販売されているタピオカの価格についても調べてみましょう。
プラカップ容器自体の仕入れ価格
タピオカドリンクを入れる容器は、500mlのメジャーな透明のもので10円前後の印象を受けました。
形やデザインが凝ったものになると30~50円ぐらいに跳ね上がる印象で、店舗名やロゴ入りのものになると、ここに印刷代が加算されます。
また、お土産用などに人気のボトルタイプ(ネコやクマ、ハートの形など)の容器になると、1個が100円~150円ぐらいと高額なものが多くなっていました。
業務用スーパーのタピオカ価格
一般人が気軽に購入できる容量で販売されているタピオカの価格についても調べてみましょう。
冷凍インスタントタピオカ

300gで、275円。
カフェで味わうタピオカと大差ない、モッチモチの食感です。
また、すでに味がついている「タピオカミルクティー」も、業務用スーパーで販売しています。

地方の地元に根付いたスーパーの価格
タピオカ(黒糖風味)

200gで、118円。
食感がコンニャクに近いので、モチモチ食感が苦手な人向きです。
イオン食品館の価格
タピオカ(黒糖風味)
200gで、118円。
※地方の地元に根付いたスーパーで販売していたものと同じもの
その他、中華素材のコーナーに、小さな粒の乾燥タピオカ(菜館 タピオカ30gが115円)がありました。

カルディの価格
タピオカエキスプレス おうちでタピオカ

120gで、390円(税込)。(タピオカ用ストロー4本がついています)
色ツヤもよく、モッチモチの食感です。
オーン スモールパールタピオカ

100gで、129円(税込)。
粒がとても小さいので、大きな粒が苦手な人向き。
在庫僅少のためおひとり様3点までという制限はついていますが「ブラックタピオカ」もあります。100g 360円。

味と価格は比例する?
味と価格は、それほど比例はしない印象を受けました。
ただ、タピオカによって見た目も食感も味もまったく違うので、店頭で販売するためには数種類を飲み比べてみることが必要だと言えるでしょう。
一部の例が、下記の写真です。

1杯7割以上の利益が出るタピオカミルクティーは優秀です
タピオカミルクティーの原価構造を分析してみると、1杯550円の商品を売り上げれば、売上原価が165円だとしても400円近く儲かる計算になります。
飲食店では、「売上原価を3割~半分以下に収めるべき」とも言われているため、1杯7割以上の利益が出るタピオカミルクティーは、高騰や欠品を懸念材料と考えたとしても優秀と言えるでしょう。
ただ、いまから店舗の立ち上げを考えるなら、ブーム終息に備えて対策を講じておくことをおすすめします。(執筆者:山内 良子)