春以降、食品の値上げが相次いでいます。
と感じている方もいらっしゃるでしょうか。
今回の値上げをきっかけに、家計における物価上昇(インフレ)対策について考えてみたいと思います。

目次
インフレの足音
今年4月以降、食品メーカーは相次いで乳製品や清涼飲料水、食用油などを最大で10%程度値上げしました。
7月には、価格を上げずに内容量を少なくする「ステルス値上げ」を行うことを発表しているスナック菓子メーカーもあります。
総務省が発表した5月の全国消費者物価指数も、前年同月比で0.8%の上昇を見せています。
指数の上昇は、なんと29か月連続とのことです。
もう2年以上も私たちの身の回り品の物価は上がり続けています。
さらに、日銀は、経済の好循環を目指して、物価上昇率の目標値(インフレターゲット)として2%を掲げています。
2%を達成するのはまだ先になりそうですが、これからもインフレが続くことが予想されます。

家計におけるインフレ対策
インフレという大きな流れの中にいる私たちは、豊かに生きていくためにどのような対策をとることができるでしょうか。
ここでは、シンプルな2つの提案をさせていただきます。
1. 収入を増やす
物価上昇に伴って、同じだけのスピードで収入も増加すれば、生活は苦しくなりません。
しかし、多くのビジネスパーソンの場合、物価上昇率に応じて賃金が決まるわけではありません。
仕事でより高いパフォーマンスを発揮できるようスキルを磨き、現在の仕事で成果を上げて昇給・昇格を狙うのもひとつです。
昨今の経済環境の変化により、どんな大企業でも安泰とは言えない時代となっています。
新興企業の中には、今の勤務先よりもずっと高い年収を払ってでも、皆さんのスキルを必要としている企業があるかもしれません。
他の勤務先でも通用するスキルを身につける必要性は、ますます高まっています。
昇給・昇格や転職により収入を増やすことができれば、インフレに強い家計作りができる可能性が高まります。
2. 資産を増やす
インフレの状況下では、資産価値は目減りします。
物価が上がると、同じ金額で買えるものの量が減ってしまうからです。
現在、メガバンクの普通預金金利は年利0.001%です。
資産を全て預貯金として持っていても、物価上昇率に負けてしまいます。
一方で、運用利回り2~3%を達成している投資信託のファンドも多くあります。
もちろん、投資は元本割れのリスクもあります。
しかし、中長期的に資産をインフレから守ることを考えたとき、世界の経済成長と一緒に資産が増えるような投資商品を保有することは、ひとつの選択肢として検討に値すると考えます。
現在、国も、公的給付に頼らず資産形成を行う「自助」を国民に促すため、iDeCo、つみたてNISAといった節税メリットのある投資スキームを用意しています。
月々数千円から始められるものもありますので、ご自身のライフプランに合わせて無理のない範囲で取り組んでみてもよいかもしれません。

食品値上げは収入・資産を見直すよい機会
食品の値上げをきっかけに、インフレに負けず、豊かに生きていくためにできることを考えてみました。
値上げの時期は、経済の動向を確認しつつ自身の行動を振り返るよいタイミングかもしれません。(執筆者:竹内 志帆)