金融庁が発表した「老後資金として、自助努力で2,000万円を準備する必要がある」という報告書が大きな話題となりました。
今まで以上に投資などの資産運用の貯蓄に関心が高くなり、同時に日々の貯金術や節約術も改めて注目されるきっかけにもなりました。
老後資金はもちろん、教育費、マイホーム資金など目標を定めて貯金するからには、だれでも確実な近道を選びたいと思うものです。
しかし、「貯金も節約もしているのに、貯金が増えない」と悩んでいる方は少なくありません。
実は、効率のよい貯金成功への近道にはちょっとしたコツがあるのです。
目次
「先取り」と「節約」 失敗しない貯金には順番がある
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「貯金が増えない」と悩んでいる方の中には、多めに先取り貯金はしていても節約生活が辛く感じる、先取り貯金はしてないのに日々の節約ばかり気にしているなど、貯金と節約のバランスがうまく取れていないケースがあります。
そのそもそもの原因は、先取り貯金と節約の順番を間違えていることです。
貯金を絶対成功させるために、まずは取り組む順番を間違えないように心掛けてみましょう。
貯金体質になる!「先取り貯金」優先が近道のポイント
家計を組み立てる過程で固定費とともに確保しなくてはならないのが、「先取り貯金」です。
限られた収入から確実に貯金を積み上げていくことができる王道の貯金方法であると同時に、貯金成功の最短の近道でもあります。
ここで気を付けておきたいのが、先取りする貯金額の設定です。
一般的に手取り収入の10%が目安とされていますが、最初は貯金額にこだわる必要はありません。
もし家計に余裕がなければ、毎月少額からでもよいです。
まずは無理をせず貯金する習慣にできる貯金体質になることが、貯金成功への第一歩になります。
節約術は先取り後の家計で発揮しよう
どんなに有効な節約術でも、先取り貯金をした後の家計内でなければ高い貯金効果を発揮できません。
節約をし過ぎるあまり先取りした貯金を切り崩してしまう赤字家計になっては、本末転倒です。
先取り貯金後の家計額を決めたら、まず家賃や保険、通信費など固定費の見直しから始めましょう。
特に家計の大きな割合を占める家賃は、月収の25~30%以内に収めるのがベストです。
それ以上の家賃になると家計を圧迫してしまう可能性があるので注意が必要です。
固定費のダウンサイジングができたら、より生活に密着した食費や交際費の節約へとステップアップしてみましょう。
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特に、交際費は本当に必要な交際なのかを改めて見直してみると、何気に使っていた支出をかなり改善できます。
また、節約を継続するためには節約によるストレスを溜めこまないように心掛けることも大切です。
家計の許容範囲内であれば、時に外食やショッピングを楽しんで節約ストレスを上手に発散することも忘れずに。
「無理しない先取り」と「イライラしない節約」のバランスがカギ
貯金成功の近道は、思っている以上にシンプルです。
まず月収から「家計を圧迫させない程度の無理をしない先取り金額」に慣れて、「キツキツの節約生活でイライラすることがないように余裕のある節約」を心掛ける絶妙なバランスを順序よく進めていくことが理想です。
筆者自身、かつては「こんなに節約しているのに、どうして貯金が増えないの」と悩んでいましたが、先取り貯金と節約の手順とバランスを心掛けることで、少しずつですが確実に貯金を積み上げることができています。
「貯金が貯まらない」と悩んだら、先取り貯金と節約のバランスがきちんととれているか、また取り組む順序を間違えていないかを、もう1度見直してみましょう。(執筆者:花見 結衣)