前回、金融庁が衝撃発表!「年金のみでは2,000万円不足」 という発表を受けて、「資産を倍にする」必要年数や投資の基礎を解説しました。
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参議院選挙を控えて政府は金融庁の報告書がなかったことにしたいようですが、政府の本音が出てしまって、発表から1か月経過しても波紋が広がっています。
少子高齢化で何となく不安に感じていた一般庶民にとっては具体的な数字で示されたことで、いまだに尾を引いているようです。
今回は、今まで国債や銀行(郵便局)などの元本が保証された預貯金等しか経験したことがない方で、長引く低金利で元本が保証された預貯金等に加えて、これから初めて投資を考えている方へ、筆者がお勧めの投資法を解説します。
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目次
投資をする上での心構え
前回のコラムで「直接金融」と「間接金融」のリスクとメリットについて説明をしました。
そこで述べたとおり、「直接金融」はリスクを覚悟のうえで高いリターンが望めます。
一方で、銀行(郵便局)の預貯金などは元本割れリスクもなく安全ですが、リターン(利息)は現在のような低金利の時代には全く望めません。
昔から『虎穴に入らずんば虎子を得ず』という諺があるように、これから初めて投資を考えている方は、このリスクとリターンの関係をしっかり理解した上で検討してください。
余裕資金でのスタートが原則
投資が初めてという方には、最初に次のことをお伝えします。
まず投資を考える場合に、将来住宅を購入するための頭金や子供の教育資金など使い道が決まっているもの、また、不意の出費のために自由に使えるお金として、少なくとも200万円ぐらいをローリスク・ローリターンであっても安全な金融資産である預貯金で持っておきましょう。
あくまでも余裕資金で投資してください。
どのような商品に投資するか
では、投資する商品はどのように選んでいけばよいのでしょうか?
リスク別の代表的な投資商品は以下のとおりです。
●ハイリスク・ハイリターン→不動産投資、FX、外貨預金、外国株式、仮想通貨
国内株式がおすすめ
初めて投資を考えている方は、ミドルリスク・ミドルリターンの投資商品、その中でも投資信託や個人型確定拠出年金のような資産運用会社のファンドマネージャー任せの投資商品はではなく、自ら選んだ個別銘柄に投資する国内株式をお勧めします。
お勧めする理由としては、ファンドマネージャー任せの投資商品は専門家が運用しますので金融知識や投資経験がなくても手間いらずで楽ではありますが、委託するということは一般的に購入時に年1%~3%、投資している期間中にも年0.5%~2%の手数料かかります。
投資が成功しても失敗してマイナスになったとしても、確実に手数料が差し引かれます。
それに比べて、自ら選んだ個別銘柄に投資する国内株式の場合は、購入や売却に手数料が少額かかりますが、その他は基本的には運用手数料などはかかりません。
また、自ら個別銘柄を選ぶことによって、新聞やニュースなど政治・経済や海外も含めた社会の動き等に敏感になります。
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国内株式に投資する際の注意点
どのように選ぶか
国内株式を選ぶ際には、以下のようなことを心がけるといいでしょう。
●長期安定的に利益を出しており、配当利回りが長期継続して3%以上ある会社を選ぶ
●創業から10年未満などベンチャー企業・新興企業は避ける
●投資する金額に余裕がある場合は、集中して同じ株ではなく、なるべく業種などを分散する
一般的には、上記のように投資する会社を選んでいけば大きな損失は少ないと思います。
もう一点、私自身も投資する中で注意しているところは、食品会社や命にかかわるようなものを製造している会社などはなるべく避けるようにしています。
理由は、食品製造会社などでは、ハエが一匹混入して実際に健康被害が出ていなくても、その後の対応を誤れば倒産することもあります。
その他、自社の製造した製品で死亡事故が発生したような場合もその後の対応次第では、一瞬にして倒産してしまうようなこともあるため、なるべく避けようにしています。
投資スタートに向けて
初めて株式投資を考えている方は、書店で初心者向けの本を最低でも1冊は購入して、専門用語や基礎知識を身につけてください。
一株1,000円以下、通常100株単位で購入しますので、10万円以下で買える株もたくさんあります。
どんな時に株価が変動するのか、まずは10~20万円程度の少額から始めてください。
デイトレードのような短期ではなく、長期投資を基本にある程度株価の動きに慣れてから、少しずつ金額を上げていくようにするのがよいでしょう。(執筆者:後藤 誠道)