日本では国民皆保険制度の基に国民全員が、公的医療保険に加入しなければなりません。
公的医療保険は、健康保険などの被用者保険とそれ以外の国民健康保険の2種類に分かれます。
被用者保険とは非雇用者が加入する保険で、国民健康保険とはそれ以外の個人事業主などが加入する公的医療保険です。
今回は、被用者保険の中でも会社に勤める従業員などが加入する健康保険の仕組みや保険料についてやさしく解説していきます。
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目次
健康保険とは
健康保険とは、会社などで働く人やその家族が病気やけがをした時や、そのため給料がでない時や、亡くなった時や、出産した時などに対して給付を行い生活を安定させることを目的としています。
サラリーマンや公務員などが加入する健康保険は、大きく分けて3種類に分かれます。
1. 組合健保
1つ目は、常時700人以上の社員がいる企業が単独で設立するか、合算して常時3,000人以上の社員がいる複数の企業が共同で設立する組合健保です。
組合健保の加入者は、主に大企業や中企業のサラリーマンやその扶養者になります。
2. 協会けんぽ
2つ目は、組合健保を設立しない中小企業のサラリーマンやその扶養者が主な加入者である協会けんぽです。
協会けんぽの保険者は、全国健康保険協会になります。
3. 各種共済組合
3つ目は、国家公務員とその扶養者が加入者である国家公務員共済組合、地方公務員とその扶養者が加入者である地方公務員共済組合、私立学校の職員とその扶養者が加入者の私立学校教職員共済などの各種共済組合があります。
健康保険の保険料

健康保険の保険料は、被保険者ごとの標準報酬によって決定された標準報酬月額に健康保険の保険料率を掛けた金額になります。
健康保険の保険料は、被保険者と事業所や事業者の労使折半で支払います。
健康保険の保険料の基となる標準報酬月額は、50段階の等級に分かれていて等級が大きいほど報酬が高く保険料も高くなります。
また、健康保険の保険料率は、すべての組合健保と協会けんぽと各種共済組合で同じではありません。
組合健保の場合は組合によって異なりますし、協会けんぽの場合は都道府県によって異なります。
育児休業中の健康保険料免除
健康保険の被保険者は、育児・介護休業法等で事業主に申し出ることにより育児休業等を取得することができます。
この育児休業等の期間は、事業主が申し出することにより被保険者負担分と事業主負担分両方ともに健康保険料を徴収されません。
そして、健康保険料を徴収されない期間に関しても、健康保険の被保険者の資格が変更になることはありません。
この期間の保険給付に関しては、育児休業等取得直前の標準報酬月額が使用されます。(執筆者:社会保険労務士、行政書士 小島 章彦)