中国との貿易摩擦は、引き続き貿易の交流性が停滞する方向に進んでいます。
アメリカにおいて12月に第4弾となる中国製品に対する制裁的な関税率引き上げが、ノートパソコンやスマートフォン、ゲーム機器などで行われることになります。
日本製品の流入が増加傾向になる可能性もあるものの、アメリカ国内では、自国製品の販売推進が続くという見方が有力です。
世界経済は、当面においてこのような傾向が続くと予想されています。
目次
大きなトレンドに魅力は十分ある

過去に日本の株式市場において、大きな上昇トレンドがいくつも到来してきました。
このことに学んで、今後のトレンドを考えてみるのも必要なことです。
海外の産業に影響を受けてきた日本の株式市場
1990年代のITバブル時代には、光通信や、ソフトバンク、楽天などが高値を付けました。
アメリカにおいて、ベンチャー企業などによるIT産業の急伸が起こり、IT企業の株高が続いたことに連動するものです。
このアメリカ株式市場との連動性は、今後の日本の上場企業の株価の推移を予測するうえで、大きなファクターとなることがあります。
2001年頃からは、青色LED銘柄が開発やノーベル賞受賞などの契機により、高騰しました。
さらに2017~2018年には、日本の半導体銘柄が上昇トレンドを形成しました。
これについても、リーマンショック以降に継続的に上昇トレンドで推移していたアメリカの半導体銘柄が及ぼした影響でもあります。
また、世界経済に左右されにくいといわれているディフェンシブ銘柄が、安定的な株価の推移を続けてきます。
通信・医薬・食品・インフラなどがディフェンシブ銘柄となり、世界的にも競争力のある医薬・通信分野で期待される銘柄が数多くあります。
通信分野では、サイバーセキュリティーが重要視されてくる

人々の生活や労働環境は、インターネットや電子システムへの依存度を高める一方です。
こうしたなか、サイバー攻撃は、高度化、巧妙化しており、社会のシステムの安全維持のためにサイバーセキュリティーが、さらに重要視されてきています。
日常生活でも、スマート家電、キャシュレス、自動運転技術などが普及しており、サイバーセキュリティーへのニーズも高まり続けています。
家や車までインターネットでつながるIoTの時代には、財産の保護などから、その重要性が今まで以上のものとして認知されていくでしょう。
サイバーセキュリティー関連銘柄には、デジタルアーツ、テクマトリックス、トレンドマイクロ、PCIHD、チェンジ、ISIDなどがあります。
医療分野では、がん治療・医療機器に技術進展
2012年には、iPS細胞の研究でノーベル生理学・医学賞が、山中伸弥教授に授与されたことが契機となり、バイオ銘柄がブームとなりました。
タカラバイオが8倍に高騰したことをはじめとして、多くのバイオ関連銘柄が急騰しました。
ノーベル賞の受賞も、株式市場において大きなトレンドを形成するファクターになることもあります。
世界から注目される日本のがん治療薬研究
現在では、第4のがんの治療方法として期待されているがん免疫療法が注目を集めています。
2018年にノーベル医学生理学賞が授与された本庶佑氏の研究にはじまるがん免疫治療薬「オプジーボ」は、抗がんの治療薬として脚光を浴びています。
この製造に取り組む小野薬品工業は、世界中から高い評価を得ています。
別のがんの治療方法として登場した「光免疫療法」も注目度が高く、オリンパス、富士フイルムHD、島津製作所、HOYA、楽天(グループ企業の楽天アスピリアン)が関連銘柄となっています。
タカラバイオでも、がんの新治療法である「C-REV」とがん免疫薬「ヤーボイ」の併用によるものの製造許可申請の段階にきています。(執筆者:編集部)