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【海外移住後の熟年離婚】資産を失った75歳男性に学ぶ 離婚するなら50代後半が狙い目な4つの理由

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【海外移住後の熟年離婚】資産を失った75歳男性に学ぶ 離婚するなら50代後半が狙い目な4つの理由

近年、人生の老い支度を意味する「終活」の2文字を耳にする機会が増えましたが、場合によっては「妻の存在」すら身辺整理の対象になり得るようです。

実際のところ、私のところへ離婚の相談をしにくる老年男性は一定数、存在します。

熟年離婚(同居35年以上)は40年で20倍に膨れ上がっていますが(昭和50年は300組、平成27年は6,266組。厚生労働省調べ)、あくまで氷山の一角です。

なぜなら、男性の平均余命は女性より短いので(男性は80歳、女性は87歳)、離婚より死別の方が金銭的に有利なら離婚に応じずに夫が先立つまで待つからです。

夫ではなく妻の方が望んでいる場合、熟年離婚は成立しやすいです。

老後にインドネシアに移住、熟年離婚したある男性の話

インドネシアのビル群

高山紘一さん(75歳。仮名)は同じバツイチの妻(68歳)と再婚しました。

そして暖かい気候や安い物価、そして趣味のゴルフ三昧に惹かれ、2人でインドネシアへ移住し、今年で10年目です。

夫婦が日本に残したのは300万円だけです。

それ以外の財産(退職金や保険金、貯蓄など)5,100万円は現地の銀行に900万円、居住用のコテージに2,200万円、賃貸用のコテージに2,000万円を充てたとのこと。

コテージの賃料として年260万円、そして紘一さんの厚生年金として年300万円の収入で暮らしていました

現地の景気悪化で生活が一転

しかしインドネシアの景気が悪化し、居住用の価値は1,300万円に下落、家賃は130万円まで落ち込みます

現地通貨(ルピア)が暴落した影響で預金は510万円まで下がったのですが、今さら日本円に切り替えることが難しい状況でした。

「もう、こっちの生活に飽きたわ。そろそろ日本に帰りたいの。

でも、あなたには感謝しているわ。」

妻は、健康状態や資産状況の悪化の不安を感じたので帰国を希望。

しかし、紘一さんは永住前提でインドネシアに資産を投資したので、今さら引くに引けず、妻の言葉に耳を貸しませんでした。

結局、お互いに籍を入れたまま海外別居をするつもりはなく、離婚という道を選んだのです。

離婚の裏にあった息子の目論見

離婚届けに捺印

含み損を抱えた状態で現地の資産を日本円へ現金化するわけにはいかないので、紘一さんは

日本に残した300万円を渡すという条件で離婚が成立

老い先が長くないのに妻が離婚に踏み切ったのは、どうやら妻の息子(43歳)が手を引いていたようです。

海外暮らしで財産が目減りすれば、息子が相続する遺産は少なくなります。

そして妻が先に亡くなった場合、法定相続分は息子と紘一さんで折半です。

もちろん、夫婦が離婚すれば息子が総取りです。

帰国後、妻は息子と一緒に暮らしているようです。

離婚するなら50代後半が適齢期

やはり離婚は年齢が上がれば上がるほどハードルは高くなります。

定年前から動き始めたいですが、50代後半がよい理由は4つです。

1. 老後の生活を誰と過ごすのかを検討する時間があるから

例えば、妻と添い遂げるのか、交際中の彼女と一緒になるか、新しい彼女を探すか、1人で自由に暮らすかです。

2. 子(息子や娘)が反対しにくいから

子は妻の世話や看病、介護を押し付けられたくありません。

60歳の手前でまだ健康に不安がないのなら、介護等の不安が顕在化していないので反対しにくいです。

3. 妻が離婚の財産の計算をしにくいから

まだ退職金や厚生年金、再雇用後の年収が確定していないので離婚条件を少なめに提示しても「おかしい」と勘繰られにくいです。

4. 離婚より死別の方が妻に有利でも死別まで待てないから

人生100年の時代において定年はまだ折り返し地点。

離婚したがっている夫と残りの40年をともにするのは難しいでしょう。

悔いのない人生を送るために、熟年離婚という終活も選択肢の1つです。(執筆者:露木 幸彦)

《露木 幸彦》
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露木 幸彦

露木 幸彦

露木行政書士事務所 代表 1980年生まれ。国学院大学・法学部出身。金融機関の融資担当時代は住宅ローンのトップセールス。離婚に特化し行政書士事務所を開業。開業から6年間で有料相談件数7,000件、離婚協議書作成900件を達成した。サイト「離婚サポートnet」は1日訪問者3,300人。会員数は20,000人と業界では最大規模にまで成長させる。「情報格差の解消」に熱心で、積極的にメディアに登場。読売、朝日、毎日、日経各新聞、雑誌「アエラ」「女性セブン」「週刊エコノミスト」テレビ朝日「スーパーJチャンネル」TBS「世界のこわ〜い女たち」などに取り上げられるなどメディア実績多数。また心理学、交渉術、法律に関する著書を数多く出版し、累計部数は50,000部を超え、根強い人気がある。 <保有資格>:行政書士、AFP 寄稿者にメッセージを送る

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