子供の医療保険に入るべきかどうか、迷っている方も多いのではないでしょうか。
全国ほとんどの自治体で子供の医療費への助成制度があり、「医療費がかからないし、子供の医療保険は払うだけ損なのでは?」と思ってしまいますが、
・ 祖父母の助力が少ない、まったく頼れない
などの場合は、医療保険が大きな助けになります。
目次
自治体の子供医療費助成制度でカバーされる範囲
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子供医療費助成制度とは、子供がケガや病気で病院にかかった時に病院へ支払う自己負担分を、自治体が肩代わりしてくれる制度です。
おすまいの市区町村によって助成内容に差があり、たとえば東京都の場合は以下のような助成内容になっています(保護者の所得による制限があります)。
小学校入学まで
入院・通院の自己負担分を全額助成
(入院時の食事代を除く。ただし、市区町村によって独自の助成を上乗せしている場合もあります)
小学校~中学校卒業まで
入院の自己負担分を全額助成(入院時の食事代を除く)、通院は1回につき200円(上限額)を控除した額を助成
(入院・通院とも、市区町村によって独自の助成を上乗せしている場合もあります)
助成の対象外になるもの
・ 健康診断
・ 予防接種の費用
・ 薬の容器代
・ 差額ベッド代
・ 紹介状を持たずに大きな病院(200床以上)を受診した場合の初診料
などが対象外です。
自治体によっては、高校卒業まで医療費助成制度がある場合や、小学校入学までしか医療費助成制度がない場合もあります。
詳しくはおすまいの市区町村のWebサイトなどで確認してみてください。
医療保険の給付金はどんな時に支払われるの?
生命保険会社の医療保険は、入院や手術になった時に給付金が支払われます。
たとえばインフルエンザが重症化して入院した、虫垂炎で手術をすることになったなどの場合です。
自治体の子供医療費助成制度で補填されたからといって、医療保険の給付金が支払われないということはありません。
ですが、風邪をひいて病院へ行った、転んでケガをして通院したなどの場合は給付金の支払いの対象ではありません。
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子供医療費助成制度があるなら医療保険は不要?
子供が入院・手術となった場合でも自治体の子供医療費助成制度で補填されるため、子供の医療費に関しては入院時の食事代程度の負担に収まるでしょう。
ですが小さな子供がたった1人で入院するのは無理があります。
保護者が付き添うとなると個室が必要ですし、付き添い用のベッドも必須です。
個室の差額ベッド代と親の付き添いベッド代は、子供医療費助成制度の対象外です。
さらに付き添う保護者の食事代、自宅に残った家族の外食代、自宅と病院とを往復する交通費などもかかります。
きょうだいがいれば、一時保育やファミリーサポートの支援などが必要になる場合もあるでしょう。
このように、子供医療費助成制度ではカバーしきれない費用というのは意外にたくさんあります。
共働きの保護者に医療保険は心強い味方
仕事に就いている保護者は、子供の入院~自宅療養の期間は仕事を休まなくてはなりません。
正社員で看護休暇などが取得できる場合もありますが、パートの場合は確実に収入が減ります。
祖父母に付き添いや家事を頼れる家庭であれば出費も抑えられますが、そうでない家庭の場合は、収入減+子供医療費助成制度の対象外の出費は大きな負担となってしまいます。
このような「医療費以外の出費」をカバーするために、医療保険は心強いサポートになるのではないでしょうか。(執筆者:2級FP技能士 久慈 桃子)