株式投資の基本的なテクニカル指標として使われている移動平均線。
そんな移動平均線を使った「ゴールデンクロス」と「デッドクロス」は見ている投資家も多く、簡単に買いシグナルと売りシグナルが分かる事で投資初心者の方にも人気の手法の一つです。
これから株式投資を始めたいと考えている方は、まず「ゴールデンクロス」と「デッドクロス」を学んでみてはいかがでしょうか?

目次
移動平均線って何?

移動平均線は、一定期間の終値の平均値を線でつないだもので、チャートに表示させてローソク足とセットで見ると今が上昇トレンドなのか下降トレンドなのかが一目で分かる便利な指標です。
例えば「5日移動平均線」であれば過去5日間の終値の平均値。
「25日移動平均線」であれば過去25日間の終値の平均値を線でつないでいったものになります。
移動平均線の見方はとても簡単で「傾きがどうなっているかを見る事」。
・ 右肩上がりになっているなら上昇トレンド
・ 右肩下がりになっているなら下降トレンド
というように判断することが可能です。
表示している移動平均線の日数が短ければ短期的なトレンド、長ければ長期的なトレンドを一目で確認することができるというわけです。
チャートに表示させるべき日数は?
・ 週足チャート:13週、26週、52週
・ 月足チャート:6か月、12か月、24か月
よく使われている移動平均線の日数は上記になります。
移動平均線の日数はご自身で決めて表示することも可能ですが、一番見ている人が多い日数をそのまま使用するのがベターです。
テクニカルというのは多くの人が見ているからこそ反応するのであって、誰も見ていないような日数を使用するのは全くの無意味という事です。
ワンポイントアドバイス
日足チャートは5日、25日、75日を表示するのが通常ですが、他に200日線だけは経験上使用する価値が大いにあります。
例えば大きな暴落が起こった際など200日線でピッタリ反発がおこるなど数々の事例を見てきました。
「機関投資家が好んで利用している」といううわさもあります。
ゴールデンクロスがでたら買いシグナル
ゴールデンクロスというのは短期移動平均線が中期もしくは長期移動平均線は下から上へクロスして突き抜けてきた状態の事。
一般的にゴールデンクロスがでたら上昇トレンドの始まりと判断することができ、買いシグナルとして見る事ができます。
先にも述べましたが「角度」が重要でより強い角度で下から上へ突き抜けてきた場合は信頼性の高いサインになります。
ゴールデンクロスが発現してから株価が長期にわたって上昇することも多いので意識して見ておきたいですね。
デッドクロスがでたら売りシグナル
逆にデッドクロスというのは短期移動平均線が中期もしくは長期移動平均線は上から下へクロスして突き抜けてきた状態の事。
一般的にデッドクロスがでたら下降トレンドの始まりと判断することができ、売りシグナルとして見る事ができます。
また上昇トレンドの終わりで調整期間に入ったともみてとれるので、買いポジションを持っていた場合は手仕舞いをするサインとして使うのも良いでしょう。
ゴールデンクロスやデッドクロスの弱点と注意点

ゴールデンクロスやデッドクロスは広く伝わっていて利用している投資家も多いテクニカルですが弱点もあります。
ゴールデンクロスやデッドクロスは短期投資には向かない
株を買ってその日の内に手仕舞いをするデイトレードや1泊2日程度で手仕舞いをする短期トレードにこのテクニカルを使ったとしてもほぼ機能しません。
あくまでも中長期のトレンドを見るために利用するのが良いでしょう。
レンジ・ボックス相場では使えない
レンジ・ボックス相場というのは、株価が上昇していくわけでも下降していくわけでもなく一定の価格帯を行ったり来たりしている状態の事。
そんな状態の時にゴールデンクロスだからと株を買ったらどうなるでしょう?
株価が行ったり来たりしているわけなので買った後すぐにデッドクロスが起きて損切りを連発…なんて事になりかねません。
トレンド転換の目安としての信頼性は高い
やはりゴールデンクロスやデッドクロスの強みは「トレンド転換が読める」という事です。
例えば長期間株価が低迷していた銘柄の出来高が急増してきてゴールデンクロスが発生したのであれば、「いよいよ株価が上昇に転じるのかな?」と見てとれます。
長期間上昇トレンドを継続してきた銘柄がデッドクロスをしてしまったとなれば、「ついに上昇トレンドも終了していったんレンジ相場かも?」と判断できたりもします。
あくまでもトレンド転換の目安として信頼性の高いテクニカルと覚えておくと良いでしょう。
ゴールデンクロスやデッドクロスをうまく使うには?
ゴールデンクロスやデッドクロスはそれ単体で買いや売りの判断をするのは、あまりお勧めできません。
買いであれば、まずゴールデンクロスが発生して上昇トレンドが始まったのを確認してからその後の押し目を丁寧に狙っていくとか、すでに買いポジションを持っている場合はゴールデンクロスが発生したからそのポジションをもっと長期で持ってみようとかある程度の工夫をした使い方をするのが良いでしょう。(執筆者:編集部)