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今後の開発次第で最強度素材となる可能性も

資源の枯渇が深刻な問題となる時代に向けて、
が世界的に注目され始めています。
開発したスパイバー株式会社は、クモの糸のようなタンパク質で人工的に作られた合成繊維の量産化に成功しており、さらに低コストでも工場生産のために開発を続けています。
これにより、将来的には、綿や麻のような植物などに依存することなく糸の生産が可能になる可能性があり、脚光を浴びています。
伸縮性と耐久性にも非常に優れていることから、各国の軍用の防弾チョッキの素材として最強度とされていたケプラー繊維から、さらに10倍以上の強度が生み出されるとも言われています。
この「QMONOS」の生産方式が世界に広がっていくことになれば、スパイバー株式会社の新規上場や、ゴールドウィンやトヨタ紡織などの関連会社の株価上昇に大きな期待が集まることが予測されています。
「QMONOS」からジャケットを共同開発したゴールドウィン

スパイバー株式会社と提携をして、共同開発プロジェクトから新製品の開発に取り組むゴールドウィンは、この「QMONOS」を採用した「MOON PARKA」を作り上げました。
「MOON PARKA」はTHE NORTH FACEより11月に発売される予定です。
再資源化も可能となる人工合成繊維「QMONOS」をもとに生産することにより、石油などの枯渇が懸念される資源に依存しない繊維業界のおいても画期的な商品を完成させたわけです。
ゴールドウィンは、スパイバー関連の銘柄としては、第1番目に注目されている銘柄になります。
トヨタ紡織は車のシートに「QMONOS」を採用

第2番目に注目されているスパイバー関連銘柄は、トヨタ紡織です。
自動車シートとエアフィルターにおいて、国内トップの自動車部品関連トヨタ紡織では、LEXUSの乗車席のシート背面に「QMONOS」を採用しています。
トヨタ紡織では、走行時の運転における疲労の低減や、運転時の装備の機能性の向上にむけて、開発を精力的に行っています。
過去には、「QMONOS」により、クモの巣状に張り巡らせたクッション性などに優れたシートを試作して、モータショーなどで発表しています。
大量生産用のプラントは、2021年完成予定
スパイバー株式会社は、タイにおいて、「ブリュード・プロテイン」(微生物による発酵プロセスでつくる構造タンパク質)の量産用のプラントの建設を開始することを7月に発表しています。
これにより、2021年には、このプラントより、「ブリュード・プロテイン」の生産が開始されます。
この「ブリュード・プロテイン」から、「QMONOS」を作り出すことができるわけです。
「ブリュード・プロテイン」は、アパレルだけでなくて、輸送機器、建築資材、人工毛髪、医療機器などの分野での活用が期待されています。
産業界への進出は、順調に進展
「ブリュード・プロテイン」の量産体制が確立されていくなかで、さらなる低コスト化に向けた開発により、世界への普及が加速化することで、サスティナブルな新素材の需要も高まりを見せてくることが予測されています。
新しい分野でも、この「ブリュード・プロテイン」の活用が盛んになっていく見通しです。
スパイバー株式会社のIPOなどから、関連銘柄への期待も、今後さらに高まっていくことでしょう。(執筆者:編集部)