8月9日に、金融庁から、「リスク性金融商品販売にかかる顧客意識調査について (最終報告・全体版)」という資料が公開されました。
その資料のP53によると、投資経験者の8割が商品購入後、フォロー・アドバイスを受けていない(あるいは、ほとんど受けていない)とのことです。
金融機関で金融商品購入後のお客さまへのフォローが十分でないならば、この点は、特に投資家自身でチェックが必要な項目ではないかと考えられます。
そこで、今回は、購入後の金融商品、中でも一番保有している方が多いと思われる投資信託に絞って書いてみたいと思います。
目次
投資信託購入後の見直しについて
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投資信託は、分散投資によりリスクをおさえることに特徴のある金融商品ですので、毎日値動きを確認する必要はありません。
1つの目安としては3か月に1回は確認するとよいと思います。
見直しするポイントは、
・ 資産配分
の2点です。
以下、それぞれについて記載します。
投資信託購入後の「運用成績」の見直し方法
購入した投資信託の運用成績を評価するには、その運用成績を、どのように評価したらよいかを決める必要があります。
この点は、運用成績がマイナスだからといって、必ずしも運用成績が悪いということにはなりません。
全体の相場が悪ければ、他の投資信託も同じくマイナスになっている可能性があるからです。
同様に、運用成績がプラスだからといって、必ずしも運用成績が良好ということにもなりません。
全体の相場が良好であれば、他の投資信託も同じくプラスになっている可能性があるからです。
購入した投資信託の運用成績は、購入した投資信託の運用成績を確認しただけでは、その数字を評価するのは難しいです。
同種の他の投資信託の運用成績と比較することで、評価が可能になります。
この同種間の投資信託における運用成績の比較方法の1つとしては、投資情報サービスのモーニングスター社のホームページが参考になります。
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ホームページトップ画面の右上の方に「詳細条件でファンドを検索」という項目があります。
ここから、簡単に同種間の投資信託の運用成績を比較することが可能です。
投資信託購入後の「資産配分」の見直し方法
投資信託を購入するとき、複数の資産に分散投資している場合は、運用中にその資産配分のズレを調整する必要があります。
どの程度ずれたら調整するかは、人それぞれですが、1つの目安としては5%と考えるとよいでしょう。
例えば、日本株式、日本債券、海外株式、外国債券にそれぞれ25万円ずつ投資している場合で考えてみます。
この場合4つの資産を等分に購入している状態です。
これが仮に、日本株式の金額が20万円に減って、外国債券が30万に増えたとします。
この場合であれば、各資産の配分を調整するために、外国債券を5万円売って、日本株式を5万買う、もしくは4資産が全て30万円になるように、日本株式を10万円、日本債券と海外株式を5万円ずつ買う、というように調整します。
このように、資産配分がズレたら、当初の配分に戻るように、売却か追加購入かどちらかの方法でそのズレを解消します。
投資信託、2つのポイントは見直しが大切
投資信託の値動きは、毎日値動きをチェックして、あれこれ考える必要はありません。
しかし、資産の値動きや資産配分について、まったく目配りしないというのも考えものです。
この2点については、ときどきでいいので、状況を確認して、見直しをしてみてください。(執筆者:佐藤 彰)