今回は、アベノミクス以降の日経平均底値予測法について解説していきたいと思います。

目次
日経平均の理論価格を求める手法
日経平均の理論価格を求める際、どの数値を使って導き出すかが重要となってきます。
日経平均の理論価格を求めるには、
手法2. PBR(株価純資産倍率)から求める
2種類の手法が存在します。
それぞれの特徴を踏まえたうえで使い分ける必要があるのです。
PER(株価収益率)を用いて「段階的な理論価格」を求める

日経平均の理論値は、PERとEPS(1株利益)から求められます。
計算式は以下の通りです。
PERを用いて理論価格を導き出すメリット
PERを用いて理論価格を導き出すメリットは、段階的な理論値を簡単に求めることができる点にあります。
PER11~16倍がアベノミクス相場の上下範囲であり、PER11、12、13、14、15、16倍の時のそれぞれの理論価格を求めることで、次のターゲットラインを正確に把握することが可能です。
また、この手法では、下落相場だけではなく、上昇相場時にも有効に用いることができます。
PERの底値水準で投資判断をする
現在、日経平均はPER11~12倍のレンジで推移しています。
アベノミクス以降何度も日経平均は暴落しましたが、その底値となったのがPER11倍の水準です。
チャイナショックや米中貿易戦争の底値もこの水準近辺で反発しています。
上記の計算式を用いて、
ようにしましょう。
BPS(1株当たり純資産)が急落相場の底値目処となる

BPSとは、PBR(株価純資産倍率)1倍の時の日経平均の理論価格のことを言います。
PERのような段階的な理論価格を求めることはできませんが、
として機能します。
計算式は以下の通りです
このBPSまで日経平均が下落することは非常に珍しく、チャイナショックや2018年末のような下落時以外はほぼ付けたことはありません。
急落時においては、PERから求めるものよりも重要となるので覚えておきましょう。
「日経平均の底値理論値」を把握してタイミングを逃さない
日経平均の底値理論値を知っているのといないのとでは、現在の相場環境を乗り越えるうえで大きな差となります。
過去相場が急落した際にこの理論価格を把握できてさえいれば、間違ったタイミングで投げ売ることはなく、絶妙なタイミングで銘柄を仕込むことができるのです。
また、どの指標を用いるかで理論値の役割は大きく変わるため、上記の2種類の理論価格から総合的に判断し、より確度の高い予測を立てるよう心掛けましょう。(執筆者:白鳥 翔一)