企業の決算が多い月のひとつである12月は、当然ながら株主優待銘柄の権利月も集中しています。
権利日直前は株価が上昇する傾向が高いため、狙い目の銘柄は早めにマークするのが得策です。
今回は12月権利月の筆者おすすめ銘柄をご紹介します。
株価他数値は、9/19(木)終値時点でのYahoo!ファイナンスの株価より算出しております。
なお、株式購入の際は、最低購入金額の他に証券会社の手数料が別途かかります。

目次
1. 株価下落で6%以上の高配当「日本たばこ産業」

「日本たばこ産業(JT)(2914)」は皆様ご存じのとおり、タバコ・食品・医薬品を展開する企業です。
食品などタバコ以外を扱うイメージも浸透しつつありますが、依然として売上の過半をタバコ事業が占めており、近年は禁煙化や値上げの影響もあって伸び悩んでいる様子です。
「日本たばこ産業」では株主優待を実施しており、1年以上継続保有の株主に対し、保有株数に応じてパックご飯やカップ麺などの自社グループ製品を進呈しています。
JTの株主優待は、2018年に残念ながら「1年以上保有の株主にのみ進呈」に変更されましたが、なおもお勧めする点は配当利回りにあります。
最近の株価下落により、配当利回りは約6.7%と高利回りとなっており、売上は横ばいですが株主に財務大臣が名を連ねる超安定株といえます。
今後株価上昇を見込めるかは不明ですが、長期保有株としてポートフォリオに加え、オマケの株主優待を楽しむのも良いのではないかと思います。
・ 株価 2,298円
・ 最低購入金額 22万9,800円(100株)
・ PER 11.36 PBR 1.54
・ 権利確定月 12月末
・ 配当 154.00円/年
・ 配当利回り 6.70%
株主優待
自社グループ商品 または 相当額の寄付
【1年以上継続保有】
100株以上 2千500円相当
200株以上 4千500円相当
1,000株以上 7千円相当
2,000株以上 1万3千500円相当
2. ポイントを自社製品と交換できる「ポーラ・オルビスホールディングス」

「ポーラ・オルビスホールディングス(4927)」は、高級化粧品「ポーラ」通販を中心とした化粧品「オルビス」の2大ブランドを傘下に擁する企業です。
「ポーラ・オルビスホールディングス」では株主優待を実施しており、保有株数に応じて商品と引き換えできるポイントをいただくことができます。
100株保有でいただける15ポイントの場合、交換できる商品はサプリメントなどが主となります。
3年継続保有するといただけるポイントが30ポイントとなり、ボディウォッシュなどのトイレタリー用品が選べるようになります。
また、60ポイントがいただける400株保有から、スキンケア用品一式と交換できるようになります。
2017~18年にかけ大きく株価上昇した化粧品銘柄の一角でしたが、最近の株価下落により手を出しやすくなり、さらに2019年12月期は記念配当がつくため、「配当 + 優待利回り」も5%を超える高利回りとなっています。
2020年度は記念配当が剥落し、「配当 + 優待利回り」は4%を下回る程度になりますが、3年継続保有でのポイントアップをめざしのんびり保有、そして株価下落時はナンピン買いで400株取得をめざすのもよいのかと感じます。
・株価 2,480円
・最低購入金額 24万8,000円(100株)
・PER 26.12 PBR 2.91
・権利確定月 12月末
・配当 116.00円/年
・配当利回り 4.68%
株主優待
【優待ポイント】
保有株式数、保有年数に応じポイント(1ポイント=約100円相当)を進呈
保有ポイントに応じて設定コースからお好きな商品を選択
100株以上 3年未満: 15ポイント 3年以上: 35ポイント
400株以上 3年未満: 60ポイント 3年以上: 80ポイント
1,200株以上 3年未満: 80ポイント 3年以上:100ポイント
2,000株以上 3年未満:100ポイント 3年以上:120ポイント
3. カタログギフトの内容が充実している「ローランド ディー.ジー.」

「ローランド ディー.ジー.(6789)」は広告・看板用インクジェットプリンタで世界首位級を誇る企業です。
「ローランド ディー.ジー.(6789)」では株主優待を実施しており、100株以上の株主に対し、3,000円相当のカタログギフトを進呈しています。
このカタログギフトでは日本国内および世界各地の名産品を選べるようになっており、筆者が権利をとった2018年12月期では、肉類・惣菜・菓子などの食品はもとより、食器・調理器具・雑貨などの種類も豊富で、寄付もあわせ90品目にのぼるという充実の内容でした。
どれも魅力的で選ぶのに迷ったすえ、筆者が選んだ商品は「チーズセット」です。

3種のチーズの詰合せですが、新鮮な材料から作られたせいかチーズ独特のクセも少なく、そのままいただいても、火を通していただいても大変おいしかったです。
・ 株価 2,028円
・ 最低購入金額 20万2,800円(100株)
・ PER 13.39 PBR 1.04
・ 権利確定月 12月末
・ 配当 50.00円/年
・ 配当利回り 2.47%
株主優待
100株以上 自社が選んだ世界各地の名産品を掲載した「株主優待オリジナルカタログ」の中から3千円相当の商品を1品贈呈
4. 家族連れにおすすめのレジャー先「東京都競馬」

「東京都競馬(9672)」は大井競馬場をはじめ、賃貸倉庫や都内近郊の遊園地「東京サマーランド(東京都あきる野市)」などを所有する企業です。
「東京都競馬」では株主優待を実施しており、保有株数に応じて、大井競馬場や東京サマーランドの入場券を進呈しています。
100株保有の場合は、通年(春~秋)利用できるフリーパス券を2枚、春秋シーズンに利用できるフリーパス券を8枚いただくことができるため、優待利回りだけでも約10%に達します。
東京サマーランドは屋内・屋外プール施設を擁しており、とくに屋外プールはスライダーやアスレチック式のプールなど種類豊富で夏の人気レジャー先です。
そのため屋外プールがオープンする夏休み期間は大混雑となり、土日は特にイモ洗い状態が甚だしいです。
筆者のおすすめはあえての春・秋シーズンであり、利用できるのは、屋内プールと屋外遊園地のみとなりますが、夏のハイシーズンに比べると混雑はしていません。
屋内プール施設には、ゆるやかなスライダーや複合遊具などが設置されたこども向けのプール、水着で入れる温浴施設があり、さらに屋外のアトラクションにもほぼ並ばずに乗れるので、ちいさな子ども連れでのんびり水遊びしたい方には良いお出かけ先だと思います。
・株価 3,365円
・最低購入金額 33万6,500円(100株)
・PER 28.17 PBR 1.49
・権利確定月 12月末
・配当 40.00円/年
・配当利回り 1.19%
株主優待
(1) 大井競馬場 株主優待証
(2) 大井競馬場 株主優待席証
(3) 東京サマーランド 株主招待券
(4) 東京サマーランドファミリー招待券
【ファミリー招待券(11月30日まで有効。7月、8月は利用できません)】
10株以上 (1) 1枚 (2)- (3)- (4) -
100株以上 (1) 1枚 (2)- (3) 2枚 (4) 8枚
500株以上 (1) 2枚 (2)- (3) 4枚 (4) 16枚
1,000株以上 (1) 3枚 (2)-(3) 6枚 (4) 24枚
5,000株以上 (1) 5枚 (2) 1枚 (3) 10枚 (4) 40枚
1万株以上 (1) 7枚 (2) 2枚 (3) 12枚 (4) 48枚
5. 株価下落で高配当・ジュビロ戦観戦も!ヤマハ発動機

「ヤマハ発動機(7272)」は、小型エンジン・FRP(ガラス繊維強化プラスチック)・制御技術を核として、バイク、アシスト自転車、マリン製品などのモビリティ製品をはじめとしたさまざまな機械製品を展開する企業です。
「ヤマハ発動機」では株主優待を実施しており、保有株数・保有期間に応じてポイントが進呈され、そのポイントを商品と交換することができます。
交換できる商品のラインナップには、自社およびグループ会社所在地(静岡県・北海道・宮城県・熊本県)名産品・復興支援商品に加え、スポンサーであるサッカーJリーグチーム「ジュビロ磐田」の試合観戦チケットなどがあります。
株価は2018年年始をピークに下落しており、現在の配当+優待利回りは5%を超える高利回りです。
・ 株価 1,936円
・ 最低購入金額 19万3,600円(100株)
・ PER 8.45 PBR 0.99
・ 権利確定月 12月末・6月末
・ 配当 90.00円/年
・ 配当利回り 4.65%
株主優待
<12月末>
保有株式数・保有期間によりポイントを進呈。ポイント数に応じて優待品の中からお好きなものを選択
100株以上 3年未満:1,000ポイント 3年以上:2,000ポイント
500株以上 3年未満:2,000ポイント 3年以上:3,000ポイント
1,000株以上 3年未満:3,000ポイント 3年以上:4,000ポイント
<6月末>
翌年の自社カレンダー ※希望者のみ
1,000株以上 レーシング・マリンのいずれかを選択
2019年は年末にかけて株価がどのように推移するか注目です
12月権利月の株主優待といえば、人気株主優待株の日本マクドナルドホールディングス(2702)や、すかいらーく(3197)もその一角です。
年末にかけて株価は上昇することが多いのですが、昨年(2018年)は12月に暴落局面がありました。
さて2019年は年末にかけて、株価はどのような動きをするのか? 先回り買いが功を奏するのか? 悩みどころですね。
株価その他の情報は変更される場合があります。
ご自身でご確認の上、自己責任で投資いただきますようお願いいたします。(執筆者:吉井 裕子)