長かった不動産の売却も、いよいよ決済・引渡しを完了すれば終了です。
しかし具体的にどのような手続きで、なにを行うのか分からない方も多いのではないでしょうか。
今回は不動産売却の決済当日の流れや作業についてまとめていきます。

目次
1. 司法書士が書類と本人の確認を行う
まずは決済を無事に完了させるための書類や持ち物などがそろっているか、「司法書士」が売主・買主ともに確認を行います。
さらに本当に売買契約を行う本人(または代理人)が出席しているかの本人確認を、身分証明書と合わせて行います。
その後、司法書士へ登記を委任するための委任状へ署名・捺印をします。
2. 融資の実行依頼
確認が終わると、買主が銀行から融資してもらうために司法書士または仲介の担当者から銀行の担当者へローンの実行を依頼します。
この融資を実行することによって、いったん「買主の口座」に融資金が振り込まれることになります。
3. 伝票への記入
主に買主がメインになりますが、売買代金の残代金や固定資産税・都市計画税の精算金、登記費用、仲介手数料などの支払いを行うために引出伝票や振込伝票へ記入・押印を行います。
売主は決済当日に支払う先が少なく現金を持参して支払う場合が多いため、伝票記入が無い場合が多いですが残代金から振込などを行う場合は同様に伝票に記入する場合もあります。
時間に余裕がある時などは、伝票記入の確認が済んでから融資の実行を依頼する場合もあります。
4. 領収書などの書類の署名・捺印、引渡し

融資金の送金や振込、現金の引き出しなどが完了するまでに、数十分程時間がかかります。
この間に、
・ 売却するのが区分マンションの場合は管理組合へ提出する書類
・ 不動産会社が用意する独自の「引渡し確認書」
などに署名・捺印を行います。
さらにマンションであれば集合ポストの使い方などの説明を買主へ行い、管理規約の原本やその他購入時のパンフレットや説明書などの書類を引渡します。
5. 諸費用精算・鍵の引渡し
買主から残代金が振り込まれ、用意した、または引き出した現金で仲介手数料や登記費用を支払います。
最後に買主へ受け取った金銭に対しての領収書を渡し、鍵を引き渡せば取引は完了となります。
決済当日の流れをイメージしておくことが大事
普段見慣れない手続きで緊張する上に決済は素早く進行してしまうため、事前に流れをつかんでおくことは大切です。
今回の記事を参考に頭の中で何度かシミュレーションを行い、決済当日は落ち着いて迎えられるようにしておきましょう。(執筆者:菊池 悠介)