不動産投資を成功させるために重要なのはやはり物件選びです。
最初の物件選びを間違えなければ、不動産投資は他の投資と比べるとリスクが低い投資と言えます。
しかし、失敗している人の多くは、「不動産会社に勧められたから」、「利回りが高いから」など、きちんと分析を行わず安易に物件を購入しています。
今回は、失敗しない収益物件選びの4つのポイントについてお話しいたします。

目次
1. 市場性を踏まえて立地を選ぶ
収益物件選びで最も大事なのは、言うまでもなく立地です。
例えば、単身向けの収益ワンルームを購入するとします。
東京都23区のJR山手線の駅から徒歩5分であれば、賃貸需要は多くて賃料も高く取れますが、地方の最寄りからバス15分だと賃貸需要が少なく、家賃をいくら下げても入居者が現れないということもあります。
最近では、ファミリータイプでも郊外の物件よりも、都心部の駅近物件の人気が高く、利便性を重視する人が増えています。
収益物件選びでは、いかに好立地物件を購入できるかが最も重要だと言えます。
しかし、好立地物件は、人気も高く、利回りも低いので収益性の面で考えると高くて買えないというケースも多いでしょう。
そこで検討する際に注意したいポイントは、そのエリアの市場性、希少性です。
市場性とは、単身向け、ファミリー向けのどちらが人気の高いエリアかなど、そのエリアではどういった需要があるかです。
また希少性とは、必要とされている量が十分に供給されていない状態のことです。
たとえば、1Rが多いエリアであれば、1LDKなどの供給が少ない物件は希少性が高いと言えます。
予算の都合で好立地物件を購入するのが難しい場合でも、
・ 希少性の高い物件を選ぶ
ことで安定した収益を得られる物件を選ぶことができます。
2. 収益性とコスト
収益性は利回りを参考にする
物件の収益性を検討するに当たっては、利回りを参考にします。
不動産会社から紹介される収益物件の資料には「表面利回り何%」と書かれてあり、表面利回りは、
で計算されます。
例えば、物件価格1,000万円、家賃10万円の物件があるとします。
この低金利の時代に12%の利回りは非常に魅力的です。
コストの見積もりも忘れずに
しかし、不動産投資では、初期費用や運営費など色々と費用が掛かります。
中古アパートであれば、
・ 賃貸管理費
・ 清掃、メンテナンス費用
・ 税金
などの費用が掛かります。
いくら利回りが高くても、初期費用や運営費が高いとなると実際の収益性は下がってしまいます。
3. 融資利用が可能な物件かどうか

不動産投資で欠かせないのが融資の利用です。
融資を受けるに当たっては、年収や職業、勤務先といった個人属性が大きく影響しますが、当然担保となる物件も重要です。
最近では物件の収益を元に物件価格を算出する収益還元法で物件を評価する金融機関も増えましたが、それでも物件の耐用年数を重視する金融機関がほとんどです。
そのため、木造アパートであれば築20年を超えると融資が難しかったり、区分マンションだと、旧耐震物件には融資しないといったケースも多く、物件の購入が難しくなります。
収益物件を購入する上で、
・ 依頼する金融機関はどういった物件に融資してくれるのか
を確認しておく必要があります。
4. 大学、工場など特定の賃貸需要に依存していないか
高度成長期で人口が増加している時代であれば、大学や上場企業の工場など安定した需要のあるエリアの物件を選ぶことも悪い選択ではありませんでした。
しかし、最近では、大学の移転や上場企業の工場の閉鎖などが頻繁にあり、突然賃貸需要が無くなって途方に暮れるというケースが増えています。
そのため、いくら利回りが良くても、大学や工場など特定の賃貸需要に依存しているエリアは避けるべきだと言えます。
バランスを考えて物件を選ぶ
今回ご紹介した収益物件を選ぶ際の4つのポイントですが、すべて満たす物件があれば即決しても良いのではないかと思います。
しかし、実際にはすべて満たす物件を探すのが難しく、こだわり過ぎるとチャンスを逃してしまうこともあります。
そのため、収益物件を選ぶ際には、その物件はどの点に強みがあるか、将来的にその強みは維持できるのかなど、何を重視するかを明確にし、バランスを考えて物件を選ぶ必要があります。
今回ご紹介させていただいた4つのポイントが、みなさんお物件選びの指標になればと思います。(執筆者:山口 智也)