株式市場では、いつでも話題をさらう注目銘柄が存在します。
あなたの資産を投資で増やすには、注目されている銘柄を分析して、今後の参考にしていくことが重要になるでしょう。
今回は、隠れた優良銘柄だったワークマン(7564)が、花開いた理由を分析してみます。
目次
人気沸騰の裏にあるすぐれたマーケティング力

ワークマン(7564)は、もともと建設現場などのガテン系労働者向け用品店です。
作業着や安全靴、ヘルメットなどを販売し、おしゃれとは縁遠い存在でした。
しかし近年、登山や釣り、キャンプなどのアウトドアで、おしゃれなニューブランドとしての地位を確立しています。
この地位は、高機能で低価格をコンセプトに立ち上げた新業態「ワークマンプラス」による、潜在顧客の発掘により築かれました。
業績も好調で、2019年4~6月期の売り上げは38%も伸びています。
いまだ一般人には新ブランドの印象が強いものの、コストパフォーマンスの高さから口コミによる売上の拡大が続いています。
これまでは郊外の道路沿いに店舗を構えていましたが、最近ではショッピングモールにも出店し、アパレル業界の華やかな舞台でも認知が進んできています。
ワークマンは好財務の優良企業
アウトドアでおしゃれなブランドイメージを築くことに成功したワークマンは、投資対象としての評価も気になるところです。
ワークマンはジャスダック上場銘柄です。
株価は10月16日の9,650円をピークに調整していますが、2018年に約2,000円から上昇を開始して、2年間で5倍になりました。
元々、株価が安かっただけで、財務状況は極めて良い企業です。
自己資本比率は約80%、有利子負債自己資本比率は約2%となっています。
ROEは約15%で、東京証券取引所1部の平均6%程度の3倍となっています。
自己資本をしっかりと投資して、高収益を生み出している、優良企業と言えます。

ワークマンへの投資で気を付けること
ワークマンは好財務・高収益のうえ、新戦略のヒットで成長したことがわかりました。
それでも、投資をする際に死角がないとは言えません。
まず株価ですが、株価8,000円でPERが58倍となっています。
ジャスダックの銘柄なので、中短期の株価割安性を示すPERが高いのは珍しくありませんが、一度株価の上昇が失速すると、大きく株価を下げる可能性があります。
また、ユニクロなどの大手アパレルメーカーが、機能性アウトドア商品に進出するなど、ライバルの出現によっても株価は影響を受けるでしょう。
それでもワークマンが、東証一部への鞍替えや株主優待の新設など、株価を刺激する施策を発表すれば、株価が1万円を越えることも考えられます。
ワークマンに投資するなら、特に外部環境の変化に気を付けておくべきと言えそうです。(執筆者:卜部 友二)