昨年の広島の大水害、大阪北部の風災被害に続き、大きな自然災害をもたらした台風19号は、いまだ避難所で過ごすことを余儀なくされている方もいらっしゃいます。
先日筆者が乗っていたタクシーの運転手さんとお話をしていたところ、火災保険で水災がカバーされることをご存じありませんでした。
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火災保険でカバーされる水災補償

火災保険における水災保険金は、
・ 保険の対象の建物に保険価額の30%以上の損害が発生した場合
・ 保険の対象の建物が地盤面より45cmを超える浸水を被った結果、損害が生じた場合
に支払われます。
地盤面とは、建物が周囲の地面と接する部分を言います。
床面が地盤面より下にある場合はその床面のことをいいます。
また、 多くの保険会社では、建物が床上の浸水を被った結果、被害が生じた場合に保険金が支払われます。
この場合の床上とは、居住している部分の床を超えることを言います。
少しわかりにくいですが、玄関のたたきから計って浸水しているケースと考えればわかりやすいかと思います。
外してしまっている人も多い「水災補償」
火災保険に通常はついている水災補償ですが、保険料を削減したいというお客様の希望があった際に、一番に外してしまう可能性が高いものです。
もちろん、高台とか、マンションの2階以上に住んでいるなどの場合は問題ないでしょう。
ただし、今回のような大規模な水害があると、保険料の下げ幅がまあまああるとはいえ、目先の保険料につられて外してしまい後悔するのが水災補償です。
逆に、災害のハザードマップなどをきっちり見てお勧めしてくださる代理店さんに恵まれると、上述した45センチからではなく、0センチから担保してもらえる保険を勧めてくださるケースもあります。
ぜひご自分のお住いの地区がハザードマップで浸水危険があるかどうかを確認してもらい、保険の見直しをしてみましょう。
実際に被害にあった際に必要なものはお金ですから、きちんと被害額が補償されるのかは、今後の家計について大きな問題です。
水災補償がおりるまでのながれ

水災被害にあったら、まずは、契約している保険会社や代理店に報告をします。
最近では、保険会社や代理店の連絡先が掲載され、自分の契約内容も確認できるアプリがあります。
何かあった際に、いちいち調べなくても事故連絡がしやすいため、万が一に備えて登録しておくといいでしょう。
報告のあった順に、保険会社によって現場への立ち合いがなされます。
自動車事故やけがの保険と違い、写真や診断書、事故報告書類だけでは支払いがされないのが、火災保険の水災のケースです。
現場で何センチつかり、被害額がどの程度かを見てもらってから損害額が決定しますが、先に一時金を支払ってもらえる保険会社もあります。
その後、もっと修理額がかかった場合に追加して支払ってもらえるという二段階での支払いに対応してもらえる会社もあります。
この支払方式は、先立つものがすぐに必要な被災者にはありがたいものです。
今の保険会社がその支払方法ができるのかを事前に聞いておくのも重要だと思います。
自然災害が頻発する時代、保険の見直しは必須
令和に入って相次いで起こる自然災害は偶発的なものではなく、温暖化を含め、地球環境の変化が原因となって引き起こされているものです。
もちろん地震も同じです。
またいつ自然災害が発生し、自分の家が甚大な被害を被るかわかりません。
明日は我が身という気持で、ぜひ、保険を見直してみてください。
今回の台風で被害にあわれた皆さん、早く以前の生活に戻れますように、心からお祈りしています。(執筆者:鮫島 ひかる)