先週は、前週の流れを受けて、年初来高値更新を継続しながら週明けをして、週前半までは上げ基調でしたが、週中から上値の重い雰囲気となり、週後半は、押し目ないし調整の雰囲気を出して、週末入りとなりました。
押す雰囲気に関しては、急激な押しとはならず、日柄調整的な動きにも見受けられる形状です。
週末金曜日には、窓空けで5線を跨いで寄り付いたことで、調整入りかと思わせましたが、しっかり下げ幅を縮小する陽線を建てたことで、弱いとはなり切らずに週末入りです。
今のところ、先週火曜日が高値となっていますが、ちょうど10月3日の調整の底入れから17営業日と、基本数値で上げきり、上げ幅も、節目と見ていた昨年10月の窓近辺で、上値が重くなりました。
計算式的には、V値N値までは、まだ値幅に余地があるところでしたが、概ね、一旦上値となってもおかしくないところまで上げてきました。
そして、週明けは、月曜が祝日なので、米国の動きがそのまま週明けの日本市場へ連動するわけではないものの、現状では、米国雇用統計が予想を上回り、実体経済が良くなっていることを伺わせ、NYダウは大幅に反発となっています。
これにより、通常であれば、利下げ観測後退となるのですが、【ISMの指標は、良くはなく、利下げ後退を抑えるもので、米国にとっては都合の良い経済指標となっている】という記事があり、米国の相場も、その通りの反発となっています。
そして、日本市場においては、週後半に押す雰囲気を出していましたが、この米国の雰囲気のまま週明けとなると、反発が想定されますが、どうなるでしょうか?
上記の通り、先週の値動きは、日柄、値幅共に一旦押すだろうという場面となっていることで、『押すだろう』と想定していたものの、米国の雰囲気を見ると、日柄調整だけで終わって、また反発という事も想定される形状です。
現状では、下げないとも言い切れないですが、高値更新が継続していくかも不透明となっています。
現状トレンドとしては上昇を示しており、『上値追いの可能性は高い』と考えるのは妥当とは思います。
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しかし、この先週の高値2万3000円という値は、2018年の5~8月の揉んでいるときの上値となっており、意識する値ごろと考えます。
前々から数度、話題としていますが、2018年に、2万4400円近辺の高値を2回付けているものの、私の中では、2万3000円が順当な高値で、『2万4000円台までの上げは、オーバーシュートでは?』という考えを持っています。
その根拠としては、1980年代のバブルの高値3万8900円からリーマンショックの底入れ6996円までの下げに対しての50%戻しが、概ね2万3000円となり、本格的にここを突破して61.8%の反発となるのであれば、再度3万8900円を目指す。という根拠となるからです。
しかし、そうは言っても、昨年、2万4448円まで上げた事実はあるので、50%以上の反発をしているというのも現実で、何とも言えない状況と考えます。
そして、売買動向を見ると、前週までは、外国人が4週連続で買い越しており、この10月の上昇の理由付けとなっています。
しかし、先週も買い越しとなっているかは、現状では見極め出来ていないので、週明けには気にすべき点ではないかと考えます。
やはり、日本市場における外国人の動きは、堅調に相場に影響してくるので、その動向を知ることは重要かと考えます。
さらに気になる点としては、為替が、10月31日に109円台に乗せた後は、円高基調になっています。
先週の引けは、1ドル108円台前半という状況となっており、この動きが週明けの日本市場にどのように影響してくるか? 見ものとなってきます。
目次
現状分析
5日線
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前週からの上向きを継続させ、角度を緩やかにしたものの、上向きを維持したまま週末入りとなりました。
株価の位置としては、ずっと、上への乖離を続けていましたが、先週水曜日木曜日に線に触れる状況を作り、週末金曜日には、またぐ形で窓を空けて下に抜けましたので、下に乖離して、下への加速の可能性は出しましたが、陽線であることから、現状では、素直に下に向かうかは微妙と考えます。
25日線
5日線と同じく、上向きを維持したまま先週を終え、株価の位置も、上への乖離を維持したままの一週間となっています。
ただ、先週火曜日には、乖離率を最大4.15%まで広げたものの、週末の引け時点では、2.98%となり、3%割れまで乖離を詰めてきています。
株価の動きとしては、概ね、下というよりは横へスライドしている雰囲気で、日柄調整と思わせる動きレベルで先週を終えています。
75日線
変わらず上向きで、株価の位置も、上を維持しています。
移動平均線全体では、向き位置並びは、完全上昇トレンドを維持したままの一週間となりました。唯一、ローソク足が、5日線の下に出たという感じです。
トレンドライン
まず、上は、前週も記載した昨年10月10日から11日かけての窓の下限2万3051円を意識する2万3008円まで上げて上値が重くなったことで、この横軸は機能していると考えます。
そして、同じく、この窓の上限が、この後、上の抵抗線になると考えます。更なる上は、昨年の高値2万4448円の横軸と考えます。
その更に上には、気にしたいラインとして、昨年の12月26日の安値と今年の8月26日の安値を結んだラインにチャネル平行なラインを4月24日の高値に合わせたラインがあり、今後、上値抵抗線になるかもと考えます。
いわゆる下降フラックかもという可能性です。
それと同様に、8月26日と10月10日の安値を結んだラインにチャネルなラインを9月19日の高値に合わせたラインも、気にしていきたいと思います。
次に、下に関しては、前週同様、過去の上値抵抗線だった4月25日、9月19日の高値の横軸が、目先の下値支持線になると考えます。
その下には、25日線と、先ほど記載の8月26日と10月10日の安値を結んだラインが、段階的に抵抗線となり、更にその下に、長期移動平均線の束があると考えます。
また、その途中には、10月の上昇で出来た4窓(23~24日、15~16日、11~15日、10~11日)があり、それぞれが抵抗線となってくると考えられます。
この週末の金曜日の安値も、直近の窓が抵抗線となったように見受けます。
テクニカル指標
一目均衡表
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前週と変わらず上方シグナル点灯中となっています。ただ、週末に、転換線にタッチする所まで下げてきました。
それ以外は完璧な形です。遅行線も同じく強さを示しています。あとは、遅行線が6営業日後に天底一致となる可能性だけ、気にしていきたいと思います。
ボリンジャーバンド
バンドが拡大を継続することで、ボリンジャーウォーク継続中なところ、週末の金曜日に、寄り付き段階で+1σまで押してきました。
ただ、陽線が立ったことで、金曜の寄り付きは、ボリンジャー理論では押し目と考えられ、『買い場だったかも』と受け取れる形状となっています。
今後、この「+1σを維持できるか?」に注目です。
スローストキャスト
2本のラインが、先週、本格的に下向きとなり、下りてきています。
ダブルトップのような形状を作っていますが、「下まで下りきるか」がポイントになります。
下まで降りずに、50%より上でゴールデンクロスとなるならば、やはり、再度上抜けチャレンジしてくると考えます。
しかし、下まで下りきったとしたら、上値追いは、一旦終焉で、そのあと、「2本のラインがしっかり上がっていくか?上げきらずにデットクロスとなるか?」で、強さ弱さが見えてきます。
総合判断
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先週、『高値を付けたかも』という思いを持ちつつ、「押し目である可能性を高く持って備える」という判断になると考えます
。
押し目であるか? 調整となるか? 下落入りなのか? この判断は、永遠のテーマですが、「決め付けることなく、結果に対して備える」のが妥当な行動です。
一応、上げ始めから3か月の経過ですので、調整レベルの下げは、可能性としてあるものの、世界的に下げたくない雰囲気が出ているので、下げるという気持ちに偏らないように注意は必要であると考えます。(執筆者:城 晶子)