「保険を見直して家計を楽にしたい」と多くの主婦の方は考えるでしょう。
保険会社から見積りを取り、保険を切り替えた方が良いと思い夫に相談した時に、なかなか夫の重い腰が上がらずに、結局そのままにしてしまっているという話を、保険の相談業務の中で良く耳にします。
夫が保険の見直しに協力的ではないのは、ただ単に面倒くさいからという理由ではなく、実は気づかないうちに見直しをする意欲をかき消してしまっている可能性があります。
今回は、そんなよくある3つの失敗をご紹介したいと思います。

目次
人は保険を2つの「かんじょう」で考える
まず、3つの失敗をご紹介する前にぜひ知っておいてもらいたいのですが、人は保険を検討する時には2つの「かんじょう」で考えると言われています。
それが「勘定」と「感情」の2つになります。
要は、「金銭的にメリットがあるのか?」というお金の「勘定」と、人の心の部分で考える「感情」で人は保険を考えます。
3つの失敗とその対策
では、これらを踏まえて早速その3つの失敗と、それに対する対策をご紹介していきます。
失敗1:加入した保険や経緯を否定してしまっている
保険を見直す時に「その保険はここがダメだ」という風に、これまで加入している保険を否定していませんか?
もし、夫のその保険を昔から親が掛けてくれていたものだったり、親戚やお世話になった人が、親身になって案内してくれた保険だったとしたら、保険はもちろん案内してくれた人を間接的に否定されていると感じてしまい、ほとんどの人は良い気分にはならないでしょう。
そうなってくると、保険を検討する上で大事な「感情」の面でマイナスとなり、もし保険を切り替えて金銭的(勘定)にメリットがあったとしても、前に進まないという状態になります。
ですので、この場合には「加入した経緯」をまずは把握する事が重要になります。
その上で、近しい人からの加入や思い入れのある方から加入している場合はないがしろにせずに、お付き合いも大事という事を理解してあげながらも、保険を見直すとこれだけ保険料が安くなる、保障が手厚くなるという事を説明してあげると、真っ向から否定していた時よりも、少しは聞く耳を持ってくれるでしょう。

失敗2:保険を切り替えるメリットを伝えれていない
ただ、1つ目の失敗をなんとかクリアして、夫が保険の話を聞いてくれた時に、保険料がこれだけ安くなるとか保障がこれだけ手厚くなるという説明は大事ですが、それはあくまで「勘定」の部分の説明だけです。
見直しによって〇〇が出来るようになれば楽しいよね、という「感情」の部分にも、ご主人がそのメリットを具体的にイメージできるように注意しながら、きちんと触れるようにしましょう。
少し例文で考えてみましょう。
例1) 毎月の保険料が5千円浮いたとしたら、そのうちご主人のお小遣いも少し上げられるので、〇〇ができるようになるよね。
【感情】→ 〇〇ができるようになる(ご主人や家族が楽しいと思えること)
例2) これだけ保障があれば、万が一の時にも余計な出費の事を考えなくて済むから、安心して毎日を過ごせるよね。
【感情】→ 安心して毎日を過ごせる
といった具合で2つの側面からメリットを伝えるようにしましょう。

失敗3:説得してしまっている
しかし、多くの男性は頭では分かっていても、人から説得されて行動に移すのを嫌い、自分で納得して行動したがる傾向にあります。
ですので、見直しをしてくれるようにご主人を説得しなくてはいけないと思い、実際には逆効果となってしまっているケースが多くあります。
そんな時に役に立つのは「第三者話法」というものです。
セールスマンなどであれば一度は耳にした事があるかと思いますが、自分達と似たような境遇の人の話を例に出して話すと、人は頭の中で勝手に自分事に置き換えて話を聞いてくれるというもです。
そうすると、説得されたと感じずに自分で考え納得したと感じるので、そこで奥様からのもう一声が掛かれば保険を見直そうという気持ちになりやすくなります。
先ほどの例で言えば、
というような具合です。
また、この時にも失敗2のメリットでご紹介した、「勘定」だけでなく、ご主人が楽しい気持ちになれるような「感情」面でのメリットがお伝えできれば効果は高いでしょう。
2つのかんじょうをうまく使いましょう
今回は保険の見直しが進まなくなる3つの失敗を、2つの「かんじょう」という面からお伝えしました。
もちろん、今回ご紹介したケースが原因ばかりという事はありませんが、夫が協力してくれず保険の見直しが進まないなと悩む主婦の方は、これらをやってしまっていないか確認しましょう。(執筆者:西田 凌)