2019年10月1日から幼児教育の無償化が始まりました。
幼稚園や認可保育園に通っている無償化対象家庭の場合は、自治体と幼稚園・認可保育園側で手続きをするので、保護者側には特に難しい手続きが発生しません。
しかし、認可外保育園や一時預かり等を利用している無償化対象家庭の場合は、利用料の「償還払い」または「代理受領方式」の手続きが必要です。
どのような仕組みなのか、分かりやすく解説します。
目次
利用料の償還払いとは?
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幼稚園や認可保育園では、無償化分の利用料は自治体から直接施設側へと支払われます。
保護者は無償化対象外の給食費や教材費だけを幼稚園・認可保育園に支払うので、分かりやすく「毎月の支払いが減った」という形になります。
対して認可外保育園や一時預かり等の保育施設では、保護者が複数の施設を利用する場合が多く、自治体側が「〇〇さんは、どの施設を何日、何円分利用した」と細かく把握するのが困難です。
そのため、
の制度を取っているのです。
認可外保育園や一時預かりの利用料は合算できる
認可外保育園等を利用する「保育の必要性の認定」を受けた子供は、
・ 0歳~2歳までの住民税非課税世帯: 月額4.2万円まで
の利用料が無償化されます。
この利用料は、合算して申請することが可能です。
複数の一時預かりを利用している場合
認可保育園を希望していたのに待機児童になり、仕方なく認可保育園の「一時預かり枠」を使って子供を預けて働いている親御さんの場合を見ていきましょう。
多くの保育園の「一時預かり枠」は、ひと月に13日前後しか利用できません。
フルタイムで働くとなると一時預かりの日数が少ないため、複数の保育園の一時預かり枠を使っている人もいるでしょう。
その場合、複数の保育園の一時預かり利用料を合算して、無償化の申請ができます。
ファミリーサポートや病児保育を併用した場合
認可外保育園に預けているが、
・ 病児保育を利用した場合
にも、認可外保育園・ファミリーサポート・病児保育の利用料を合算して無償化の申請をすることが可能です。
利用料の合計額がオーバーしても、無償化上限額までしか戻らない
注意したいのは、一時預かりやファミリーサポートなど複数の保育施設の利用料の合計が高額になったとしても、保護者に払い戻されるのは無償化上限額までということです。
逆に少なく収まった場合は、実際にかかった費用までしか払い戻しされません。
償還払い請求の方法
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利用料の償還払い請求には、基本的には以下のような書類が必要です。
しかし書類を自分で自治体の役所に取りに行くのか、郵送されるのか、保育施設経由で受け取るのかなど、申請方法は自治体によって異なります。
必ずお住まいの自治体に確認してください。
【償還払い請求】
償還払い請求には、下記書類を提出いただく必要があります。
・ 施設等利用費請求書 (請求書様式はこちら)
・ 領収証(認可外保育施設等から発行された領収証です。)
・ 提供証明書(認可外保育施設等から発行された提供証明書です。)
・ 活動報告書(ファミリーサポート事業を利用した場合のみ)
※施設等利用費請求書に記載いただく口座に振込することでお支払いします。
※請求書等の提出方法は、主に通われている認可外保育施設を経由して区に提出いただきます。
(引用元: 板橋区役所 子ども家庭部 保育サービス課)
「代理受領方式」が導入されている自治体も
認可外保育園の利用者は、基本的には領収書を自治体に提出して償還払い(後払い請求)という手続きになるのですが、
という場合は毎月の手続きがわずらわしくなります。
自治体によっては、1か所の認可外保育園しか利用していない人に限り、
を導入している場合もあります。
「代理受領方式」であれば、認可保育園の場合と同じく保護者は無償化対象外の給食費や教材費だけを認可外保育園に支払い「毎月の支払いが減る」形になります。
「代理受領方式」は自治体によって導入の有無が異なります。
お住まいの自治体に確認してください。(執筆者:2級FP技能士 久慈 桃子)