マイホームのタイプとして「マンションか一戸建てか」をまず選びます。
かつて、マンションをマイホームとして選ぶ場合のメリットとしてはコンポスターや床暖房などの快適性を高めるための設備を導入しやすい点がありました。
しかし現在では一戸建てでもマンションと同様の設備を導入しやすくなってきており、マンションと一戸建ての設備面での差は年々小さくなってきていると言えます。
ですがこうした設備は日々劣化していくので継続的に利用するためにはメンテナンスが欠かせません。
今回は年々性能が上がっていくマイホームの機能を継続的に利用していくのに欠かせない「修繕計画」について説明をさせていただきたいと思います。

目次
マイホームに発生する3つの劣化とは
マイホームに生じる劣化には
性能が陳腐化しニーズを満たせなくなってしまう「機能的劣化」
マイホームと生活スタイルにギャップが生じ更新や改修が必要となる「社会的劣化」
の3つが発生すると言われています。
こうした劣化が発生してから対処では、思いもよらない時期に多額の支出が生じてしまう事態に陥ってしまう恐れもあり、資金状態によっては劣化を放置せざるを得なくなってしまいます。
機能的劣化や社会的劣化であれば直ちに大きな影響を及ぼすこと少ないかもしれませんが、物理的劣化の場合は資産価値に大きな影響を及ぼしてしまうかもしれません。
いずれ生じるこれらの劣化に対し、マンションの管理組合や管理会社では「長期修繕計画」を立て修繕積立金を集めるなどし、日々対策を進めています。
長期修繕計画の仕組みは5つ
いずれやってくるマイホームのさまざまな劣化に備えるには長期修繕計画を立てて備えることが大切です。
特に一戸建ての場合は自分自身で劣化への備えを行う必要がありますので、長期修繕計画の仕組みを知ることが大切です。
長期修繕計画は大きく分けて以下の5つで構成されています。
(2) 仕様の設定 : 修繕に際し、性能を向上させるか否かなどの仕様の決定を行います。
(3) 工事費の算定 : 修繕箇所や仕様などを勘案して必要な工事費を算定します。
(4) 収支計画の検討 : 必要な工事費から逆算し、月々の積立額の算定を行います。
不足する場合は仕様の見直しや借入金の利用などを検討します。無理な資金計画とならないよう注意が必要です。
(5) 計画の見直し : 新たな建材や工事費の価格変化などを勘案し、数年置きに計画の妥当性を評価します。

一戸建てにおいても劣化に備えることが大切です
マンションなどの集合住宅においては、資産価値や安全性などさまざまな理由から管理会社や管理組合が建物・設備の修繕周期や予算の確保などの修繕計画を長期的に進めています。
昨今設備が高度化する一戸建てにおいても同様の修繕計画を持ち、劣化に備えることが大切です。
また日々少しずつメンテナンスを行えば劣化に早く気が付き、結果として修繕費を安く抑えることができる場合もあります。
マイホームは買っておしまいではなく快適に過ごし続けることができるよう、日々のメンテナンスと長期修繕計画で劣化に備えましょう。(執筆者:菊原 浩司)