今回は、メリットがないと思われがちな端株の意外な使い道について解説していきたいと思います。
目次
端株とは

端株とは、単元未満株のことを言い、100株未満の半端な株数の総称です。
一般的に端株は、企業の増資や分割、相続などの理由で保有している投資家がほとんどであり、それ自体を売買する投資家は少ないものと思われます。
端株のメリット
端株には次のようなメリットがあります。
小額から投資が可能
端株は少ない株数から売買が可能であるため、値がさ株などの株価が高すぎる銘柄に投資したい場合や、資産形成をこれから始める若年層投資家にとって有効な投資手法です。
また、ネット証券などを中心にミニ株やプチ株などの独自のサービスを提供している証券会社もあるので、自分の投資スタイルに合ったサービスを選択できます。
ただし、証券会社ごとに取り扱い銘柄は異なるので、自分が投資したい企業の株が取り扱い対象銘柄に含まれているかどうか事前に確認しておく必要があります。
端株のデメリット
一方で、端株には次のようなデメリットがあります。
売却時間が決まっている
端株は、単元株のようにいつでも売買できるわけではありません。
売買注文を発注すると、その日の大引けや前場の引けで約定するなど証券会社ごとにルールが異なっています。
値上がり益を期待できない
端株は小額から投資できる反面、大きな値上がりを期待できません。
値上がりを追求したい方には端株取引はおすすめできません。
端株で株主優待の期間制限をクリアする

株主優待銘柄の中には、一定期間保有しないと株主優待がもらえなかったり、優待のグレードがアップしたりするものがあります。
その基準をクリアするには年単位でその銘柄を保有し続ける必要があるため、株価が買値より値上がっているにも関わらず、優待に固執するあまり売却を検討しない投資家がほとんどなのです。
しかしこれでは、資産が固定化されてしまうリスクがあります。
そこで重要となってくるのが、この期間縛りをクリアするには、
ということであり、端株の場合でも条件をクリアできるという点です。
具体例
例えば、ある優待銘柄を100株保有しており、株価が値上がったため売却を検討しているとします。
このとき、端株取引を用い1株だけ残し残りの99株を売却するのです。
これにより、資産の流動性と値上がり益を確保できます。
後は株価が下落したタイミングで単元株になるように買い増せば、優待を受け取ることができるのです。
端株をうまく使って株主優待の条件をクリアしよう
端株は通常相続や分割などのコーポレートアクションが発生した際に保有するものと思われがちですが、株主優待の条件をクリアするのに有効な手段といえます。
これにより、長期間資産を固定化させてしまうリスクを取り払うことができますので、積極的に活用するようにしましょう。(執筆者:白鳥 翔一)