2019年も終わりに近づいてきました。
人の数だけストーリーがありますが、投資に関しては素晴らしい1年だったのではないでしょうか。
また未来は誰も分からないと実感した1年でもありました。
そういった意味では今後も続く長期投資を考える良い機会かもしれません。
一緒に2019年を振り返ってみましょう。
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目次
2019年は総悲観から始まり結果として素晴らしい1年だった
2018年10月より世界経済の先行き不安から株価の下落が始まり、同年12月25日には日経平均が前日比マイナス1,048円と2万円を切る事態になっていました。
「つみたてNISA」などで投資を始めた人も多く、投資をやめたいという声も聞こえたのが約1年前です。
上記を引きずり総悲観で2019年の幕が開けました。
リーマンショックから10年が過ぎ、株価は右肩上がりで成長していたため上昇相場の終了を予測する声が多くありました。
事実、JPモルガンのマーケット予測も景気後退を予測したものでした。
【参考】J.P.モルガンの超長期マーケット予測
実際にNYダウ工業株平均、日経平均株価の2年チャートも見比べてみましょう。
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2019年始まりは株価回復の兆しを見せますが、投資家マインドは不穏なままでした。
同年5月には米中貿易摩擦激化を懸念して調整があり、楽観的な予想をする人は少なかったというのが印象です。
2019年秋ごろに米国FRB(連邦準備制度理事会)の金利施策が功を奏して株価は新しいステージへ向かいました。
NYダウは過去最高値を更新し、日経平均も2万4,000円を突破しようとしています。
年初来のリターンでは、株式投資はおおむね20%近いリターンをもたらしてくれました。
そのような1年だったのではないでしょうか。
筆者が愛読している「敗者のゲーム」の一説を紹介します。
この教訓は明らかである。
投資家は、「稲妻が輝く瞬間」に市場に居合わせなければならないということだ。
2018年より「つみたてNISA」でコツコツと積立投資をしていた人が報われた1年ともいえますね。
2017年と2019年はまさに著者チャールズ・エリスがいう「稲妻が輝く瞬間」でした。
それを感じた人も多いのではないでしょうか。
筆者はこの一文を忘れず、バイアンドホールドし続けようと思います。
さて、株式投資は悲観的な状況から始まり最高の結果をもたらした1年でしたが、多くの人が投資を意識した年でもありました。
老後資金2,000万円問題です。
老後2,000万円問題で投資が注目された1年だった
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最近こそ落ち着きましたが、これは連日のようにニュースで報道されましたね。
きっかけは麻生大臣の「年金のみでは2,000万円不足」という発言でした。
老後資金については人それぞれと思っており、仕事やライフスタイルでまったく変わるので数字だけを見る意味はないと思っております。
終身雇用の崩壊や必ずくる少子高齢化による福祉削減への不安といった背景から、投資をしたり副業をしたりと多くの人が会社の収入にだけ頼らない生き方を意識するようになった1年でした。
副業についてはまだまだ一般的ではありませんが、「つみたてNISA」や「iDeCo」を通じて、
「怪しいもの」
といった世間の投資に対するイメージが変わったと感じました。
投資を「自分事」と捉える人が増えたのではないでしょうか。
実際に、2019年9月の金融庁の発表によると「つみたてNISA」が170万口座を突破したのです。
年金を基盤として足りない分は自助努力で資産を増やすという場合、誰にでも取り組みやすいのが「インデックス投資」であり、その手助けとして金融庁が用意したのが「つみたてNISA」です。
筆者は15年以上投資を続けておりますが、資産形成を目的として投資が注目されたのは初めてだと思いました。
投資は少額から慣れていくのが肝心
今後ますます投資は一般的になってくるでしょう。
退職金を一気に運用して失敗するなどといった事態は目も当てられません。
まずは少額から慣れていくことが資産形成や投資との上手な付き合い方です。
2020年もびっくりすることが多くあると思いますが、投資と向き合って良い年にしていきたいですね。(執筆者:松崎 正義)