筆者は2016年の6月から本格的に株式投資を始めました。
株式投資を始めた理由の1つが、「株主優待生活」への憧れです。
レストランの優待券や、会社から送られてくる食品などを駆使して生活コストを下げている方の記事を読み、「投資って意外と身近なものなんだ」と感じたからです。
と思いはしたものの、当時の私はほぼ投資知識がゼロでした。
何から手をつければよいのかもわからず、手探りで投資を続け、気づけば投資経験は3年以上、株主優待制度のある保有銘柄は30以上となりました。
概算ではありますが、株主優待で年間10万円程度は家計が節約できています。
今回は、「投資経験ゼロから株主優待生活を目指す」方向けに、筆者の経験を踏まえて最初の5つの手順をご紹介したいと思います。
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目次
30銘柄の株主優待を持つとどんな生活ができる?
優待銘柄を買うステップについてご紹介する前に、現在の筆者の、株主優待銘柄を駆使したある1日をご紹介しましょう。
日清食品ホールディングス(2897)からもらった3,000円相当の製品つめあわせから、グラノーラを朝食にいただきます。
子ども服を買い足しに西松屋へ。
西松屋チェーン(7545)の株主優待券1,000円相当を使ってお買い物をします。
昼食は家族とすかいらーくへ。
すかいらーくホールディングス(3197)からもらえる飲食代割引カード、年間6,000円相当を利用して食事をします。
そのあとは子どもたちと遊ぶためにラウンドワン(4680)へ。
年間5,000円分の割引券がもらえるので、安く楽しめます。
その後はサンマルクカフェでコーヒータイム。
優待カードを持っていれば、サンマルクホールディングス(3395)のほぼ全店で、20%の割引が何度でも受けられます。
夕食はクリエイト・レストランツ・ホールディングス(3387)の経営するバイキングレストランへ。
年間6,000円相当の食事券がもらえるので、夕食も少し豪華にできました。
家に帰る途中でコンビニへ。
早稲田アカデミー(4718)からいただいた1,000円分のクオカードを使って、雑誌やお菓子を買って帰りました。
寝る前に電子書籍レンタルサイトRenta!でマンガを読みます。
パピレス(3641)の株主優待で1万1,000円分のギフトコードがもらえるので、興味のあった本をどんどん読むことができます。
実際のところは、ここまで1日でたくさんの優待を使うことはめったにありませんが、株主優待を活用すると、とてもお得であることは伝わったのではないでしょうか。
株主優待生活の始め方
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では、実際に株主優待生活を始めたいと思ったら、まずは何からスタートすればいいのでしょうか。
筆者おすすめの5つのステップをご紹介します。
1. 証券口座を開く
何はともあれ、まずは証券口座を開きましょう。
基本的に証券口座を開くだけならお金はかかりませんが、身分証明書のやり取りなど、口座開設に少々時間がかかります。
いざ買いの好機がやってきたときに、「口座開設が間に合わなかった」と嘆くことになっては投資のモチベーションも下がってしまいます。
株に関する勉強は口座開設後でかまいません。
証券会社は多数ありますが、まずは手数料の安いネット証券会社である、SBI証券や楽天証券に口座を持つのがおすすめです。
なお、株主優待のために個別銘柄を買うのであれば、NISAは「つみたてNISA」ではなく、「通常NISA」を選ぶ必要があります。
2. 株に関する本を1冊読む
初心者向けの株に関する本を1冊読みましょう。
筆者は「いちばんカンタン! 株の超入門書 改訂版」という本を読みました。
「入門書」
「やさしい」
といったキーワードで探せばいろいろな本がヒットしますので、その中で気に入ったものを1冊、どれでもかまいませんので、ざっと目を通してみてください。
図書館でも借りられますし、今はマンガで読めるものもあります。
なお、本によってはPERやPBRといった株用語が出てきますが、この時点でしっかり覚えようとしなくても大丈夫です。
「そんな指標もあるのか」という程度に頭に入れておいていただければ十分かと思います。
3. 株主優待制度に関する雑誌を読む
次に、株主優待制度について多くの情報が得られる雑誌を読むのをおすすめします。
本ではなく雑誌としたのは、一般的に雑誌の方が情報が新しいからです。
株主優待制度は内容が変わったり、なくなってしまったりすることがあります。
古い本では優待の情報が異なっている場合もあるので、できるだけ最近発行された雑誌を読むのがよいでしょう。
「ダイヤモンドZAi」という月刊誌は、株主優待の内容を取り上げていることが多いため、筆者もよく読んでいます。
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4. 身近な会社に優待制度がないか調べてみる
本や雑誌を読み、株や優待についての知識がざっくり頭に入ったら、次はいよいよ銘柄選びです。
銘柄の選び方ですが、筆者はまず「身近な会社に優待制度がないか調べてみる」ことをおすすめします。
理由1:株主優待の使い勝手が良い
株主優待制度は、使い勝手が良いことも大事なポイントです。
お店の割引券がもらえても、その割引券が使える場所が身近になければ、宝の持ち腐れになってしまいます。
普段からよく使っているレストランやお店であれば、優待も使いやすいです。
理由2:会社の良さを実体験できる
株を買う場合は、「今後もこの会社は成長し続けられるのかどうか」という視点が大切です。
身近な会社であれば、サービスの良さ、人気の高さなどを自分の目で確かめられるので、納得感のある投資ができます。
たとえば筆者は、スターフライヤー(9206)のサービスの良さに感動して株を買ったり、レストラン「bills」の長い行列を見て、サニーサイドアップ(2180)の株を購入したりしました。
自分が「良い」と思った銘柄が成長すると、とてもうれしいものです。
ぜひ身近にある好きな会社について調べてみてください。
理由3:株の勉強になる
身近な会社について調べることで、
「このレストランとあのレストランは同じ会社が経営しているんだ」
「似たような業種でもこの会社の株価は高い」
といったことが学べます。
実体験がともなっているので情報が頭に残りやすいですし、株式投資が身近に感じられるようになります。
5. 少額の株を購入してみる
ここまで来たら、あとは実際に購入するだけです。
「いいな」と思った銘柄の中から、一番少額で購入できるものを証券会社で買ってみましょう。
少額から始める理由は、初めて投資をする場合、自分にどの程度のリスク許容度があるかがわかりにくいからです。
リスク許容度とは、どのくらい投資元本がマイナスになっても金銭的・精神的に耐えられるか、という度合いのことです。
少しでも目減りしてしまうと不安になって落ち着かないという方もいれば、数万円単位で変動してもそれほど気にならないという人もいます。
株の価格は上がることもあれば、当然下がることもあります。
まずは少額から始めて、自分のリスク許容度を探ることにしましょう。
「銘柄を1つ買ってみる」ことで株主優待生活が始まる
筆者の体感としては、最初に1銘柄買うまでのハードルはとても高く感じるものですが、一度買ってしまうと、その次からはそれほど難しいとは感じなくなります。
たとえ少額の低位株でも、実際に株を1銘柄保有することで世界が広がりますし、定期的に届く株主優待で株を続けるモチベーションも維持されます。
「株主優待に興味があるけれど、なかなか1歩が踏み出せない」という方に、ご紹介した5つのステップが参考になれば幸いです。
※優待内容は2019年12月10日時点のものです。
優待内容は変更されることもあります。ご自身でご確認のうえ、自己責任で投資くださいますようお願いいたします。(執筆者:AFP、2級FP技能士 青海 光)