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2019年の日本株相場の動向

2019年の日本の株式相場は、年明けすぐに発表された米国企業アップルのスマートフォン減産のニュースにより、大発会に1万9,241円と2019年の安値を付ました。
また、2019年の高値は、世界的な金融緩和に加え、米中通商交渉の第1弾の合意や、ハードブレグジット懸念の払拭等を好感して、12月17日に2万4,091円をつけています(12月26日執筆時点)。
株価の上昇が抑制される米国大統領選挙年
過去10回(1980年以降)の米国の大統領選挙年の株価の騰落率を平均したものを見ると、日経平均株価はほぼ横ばいといえる状況です。
これは、ニューヨークダウ30種平均株価についても同じことがいえます。
株価の伸びが抑制される原因は、
だと思われます。
つまり、過去の経験則からすれば、2020年の日経平均株価やダウ30種平均株価の上昇は期待薄ということになります。
2020年の日経平均株価の予想

日経平均株価予想の前に、前提となる為替レートと一株当たり利益(EPS )についてコメントしておきます。
2020年の円ドルの平均為替レートについては、2019年に引き続き1ドル=109円を想定しています。
円ドルレートの妥当なレンジとして、1ドル=105円~113円と予測しているためです。
また2019年の年初にもあったように、昨今はコンピューター取引が席巻しているため、売買が一方向に偏ることがあります。
そのため、オーバーシュート的な動きまで想定すれば、1ドル=103円~115円とレンジは広がると考えます。
いずれにしても、円ドル相場は1ドル=109円想定で問題ないでしょう。
2020年のEPSの算定
まず2019年のEPSの予測が必要になります。
2019年中間決算段階での企業による予測では、2018年に比べて6.1%の減益となっています。
一方で、市場のコンセンサスは、2018年比2%台後半の減益予想となっています。
また、2020年のEPSについては、今のところ民間のストラテジストは、2019年比で6%程度の増益を予測する声が多くなっています。
2020年の世界経済は、リセッション(景気後退)に入る兆しはなく、緩やかではあるものの成長が続くと考えられます。
そのため、6%成長は少し過大かもしれませんが、日本企業の業績も底堅く推移するものと思われます。
上記を踏まえた上での2020年の日経平均株価は、
高値… 2万5,330円
と計算されます。
安値は一部テールリスクの発現を含めた価格となっていますが、ここ数年は政治、経済ともに不確実性が高まっているため、注意喚起の意味も込め、ここでは修正はせず、算出されたこの価格を予測値としたいと考えています。(執筆者:土井 良宣)